1899年のパリ。時のフランス大統領が突然死亡し、フランス共和政が大きな危機に直面した激動の時代を舞台に、後の近代フランス警察の創始者として知られるルイ・レピーヌ率いるパリ警視庁の刑事たちと、大統領が突然死した時に密会をしていた愛人の活躍を描く!
史実とフィクションが織り交ざったストーリー展開とそのクオリティーの高さに、本国のみならず英米でも評価され、ニューヨーク・タイムズ紙では2022年の見るべき最高のテレビ番組の1つにも選ばれ話題となったドラマシリーズ!
1899年、時のフランス大統領フェリックス・フォール(実在の大統領。突然の死に様々な逸話が後世に語り継がれた。)が愛人との密会中に腕の中で突然死亡する。折しもフランスは反ユダヤ主義を背景にした「ドレフュス事件(1894年に発生したユダヤ系フランス軍人がスパイ容疑で逮捕された冤罪事件)」の影響によって社会の分断が進み、反体制派が台頭。現職大統領の死をきっかけに情勢はますます混とんとし、フランス共和政は深刻な危機にさらされていた。治安の維持に不安を抱く政府は、元警視総監のルイ・レピーヌ(実在の警視総監。警察の近代化に努めただけでなく、今日まで毎年開催されている発明家のためのコンテスト“レピーヌ・コンクール”を創設)を召喚、復職させることを決断する。そのころパリでは、セーヌ川に浮かぶ大きな旅行カバンが発見される。その中には女性の切断遺体が入っていた。遺体は頭部と両足が切断されており、身元を示す物もない。正義に燃える若き刑事アントワーヌ・ジュアンは、この怪事件の捜査に参加。わずかな手がかりをもとに、ベテラン警視コシュフェールの指導と弁護士志望の女性ジャンヌ・ショーヴァン(実在の弁護士。女性弁護士の先駆的存在)の助けを借りながら、ジュアンはひたむきに調べを進めていく。
パリ万博、パリ・オリンピックを翌年に控え、パリが最も華やいだ“ベル・エポック”の時代を舞台に、史実とフィクションが織り交ざったリアリティのある緊迫感とストーリー展開が楽しめる作品。ドガやセザンヌの絵画の中にいるような世界観も魅力的だ。
制作:2020年 フランス/尺約55~70分×全8話/字幕版/原語:フランス語 原題:Paris Police 1900
監督:ジュリアン・デポー ほか 脚本:ファビアン・ニュリ ほか
出演:ジェレミー・ラウールト(アントワーヌ・ジュアン)、エヴリーヌ・ブロシュ(マルグリット・スタンネル)、マルク・バルベ(ルイ・レピーヌ)ほか
© Carole Bethuel - Tetra Media Fiction / Canal+ © Rémy Grandroques - Tetra Media Fiction / Canal+
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