フランス発大ヒットミステリー『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』の最新シーズン5、ミステリーチャンネル独占日本初放送を記念して、アストリッド役のサラ・モーテンセンさんとテツオ・タナカ役ケンゴ・サイトウさんをお迎えしてのファンミーティングが開催されました。今回は、スカパー!番組配信での生配信も行われた日本初となるファンミーティングに密着したイベントレポートをお届けします!
「コンニチハ!」と日本語での挨拶からスタートしたサラさん。「シャイで、普段犯罪資料局で静かに働くアストリッドが、こうしてたくさんの人々とお会いできるなんてきっと信じられない思いだと思います。日本のファンの皆さんと会えるなんて夢のようです」と、会場に集まった大勢の日本のファンを前に喜びをあらわにしました。
対して、「こうして日本語でお話すると違和感があるでしょうか?」と微笑みながら話し始めたケンゴさん。普段画面越しでは見ることのできない流暢な日本語で話すケンゴさんの姿に、会場からは笑いと驚きの声が。久しぶりの帰国となったケンゴさんは、「フランスのスタッフと共に東京を楽しんでおります」とイベント開催への喜びを語ってくださいました。
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今回のファンミーティングでは、約270名のお客さまが来場!応募の際には、サラさんとケンゴさんに聞きたい質問も募集され、出演決定までのいきさつや、共演者に対する思い、気になりすぎるシーズン6へのコメントまで、マル秘情報盛りだくさんとなった質問コーナーをご紹介します!
サラさんとアストリッドの出会いは、いつものように先に作品の脚本に目を通したマネージャーさんから「これはあなたの役よ」と言われたことがきっかけだそう。ご自身でも脚本を読み、オーディションを受けてみたいと感じたサラさんは、しっかりと結ばれた靴紐から、第一ボタンまで留められたシャツの着こなしまで完璧に再現してオーディションに臨んだそうです。しかし、あまりにも「やりすぎたかも」と感じ、「もう一度受けさせてください」と二回目のオーディションへ挑戦し、見事アストリッド役に決まりました。
はじめて脚本を読んだときには、一気に最後まで読み切ったというサラさん。二人の女性の友情が描かれた、これまでフランスのテレビでは見たことのない作品だと強く感じたそうです。
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「すごく繊細な役でした。そういう障害を持つ人々を何らかの形で傷つけてはいけないが、普通の人から見たらやっぱり少し違う、という部分を表現しなければいけませんでしたから、役が決まってすぐに準備をしました」というサラさん。架空のキャラクターでありながら、オリジナリティのある一人の人物としてアストリッドを表現するために、ドキュメンタリー番組を観たり、本を読んだりするほかにも、実際に自閉症の人々が集まるコミュニティーへ赴き、直接会話をしたり、観察したりしながら、撮影への準備を進めたそうです。つま先から慎重に歩を進めるアストリッドのあの歩き方や、繊細な指先の動きはそうした観察の末に表現されることになりました。
サラさんは役を演じるときに、おのずと彼女が自分の中に自然と入ってくる、もちろん違いはあるが、アストリッドと何か共有しているように感じるそうです。それは例えるなら、自分の体の中で彼女たちとシェアハウスでスペースを共有しているルームメイトのような感じで、「撮影が始まると、私という存在は部屋の隅っこに佇むだけで、ほとんどの場所をアストリッドが使い、撮影が終わるとまた私に場所を譲ってくれるという感じですね」と、生き生きと役柄を演じる秘密をそっと明かしてくださいました。
「一番の大きな共通点は、動物が好きということでしょうか。今となってはアストリッドは私の一部になっています。私は彼女の話し方なども含めてアストリッドのことが大好きですし、彼女を守りたいと心から思っています。」と、俳優として自分の役とどのように向き合っているかも含めてお話しくださいました。
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一方、アストリッドをいつも穏やかに見守るその姿に、ファンからも「優しい男性像にグッときた!」という声が多かったテツオ役のケンゴさん。実は会場には、ケンゴさんのお母様も来場!前回(2023年)のイベントに続いてのご参加ということで、会場からは大きな拍手が起こりました。
テツオ初登場はシーズン2第6話。所属している事務所からオーディションの話を聞いたケンゴさんは、初めて台本を読んだときには、フランスが舞台の刑事もの、日本のやくざが登場する…という展開に、「もしかしてヤクザの役かな」と思ったそうです。「ところが、読み進めてもなかなか自分の役(テツオ)が登場しないんですよね」と語るケンゴさん。数学を学ぶ学生で、日本の食料品店でアルバイトをしているところでアストリッドと出会う、という内容を知った時、役に対する見方が大きく変わったとのこと。しかし、オーディションが終わってから全く音沙汰がなかったそうで…。
オーディションからずいぶん経ってから、番組のアシスタントから突然「あなたの役は○○日から△△日までの日程で撮影が行われますが、都合の悪い日はありますか?」という実務的な連絡が舞い込み、とても驚いたと笑いながら語ってくださいました。
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「彼も自分もシャイなところでしょうか。どちらかといえばやりやすい役で、無理して役作りをしなければならないという感覚ではないですね」と語るケンゴさん。撮影現場はいつ行っても温かい雰囲気だそう。テツオは基本的に事件には関わらないけれども、アストリッド以外のキャストとの共演シーンでも、フレンドリーに歓迎してくれるムードがある現場だと感じているとのことです。特にアストリッド以外で共演シーンが多い、ニコラ役のブノア・ミシェルさんについては「いつもニコニコしていて、とても話しやすい人ですね」と朗らかな印象を持っているそう。
「私から見て、とても直感的で、自発的で、温かい人という印象です」と語るサラさん。「アストリッドとラファエルの関係性に近いのかもしれません」。撮影はだいたい6か月ほど続き、撮影中はいつも一緒だそうで。「私が役作りを徹底するのに対して、ローラさんは撮影のたびに少しずつセリフを覚えていく感じで(笑)」と思わず笑みを浮かべながら、二人でよく話し合いながら撮影を進めていくと語ってくださいました。
大胆にも、現在本国で撮影中のシーズン6についての質問が飛ぶ場面も。「ここで皆さんに打ち明けることはできません」とはっきり断りを入れたうえで、「私が今言えることは、皆さんはまだ第6シーズンを受け止める準備ができていないと思います」という爆弾発言を投下したサラさん。
「シーズン5で起きたことを踏まえて、いろいろと気になることがあると思います。これまで、シーズン1から素晴らしいパズルが出来上がってきましたが、シーズン6ではそこへきて強い風が吹いてそれをすべてバラバラに戻してしまう…という感じです」という意味深な発言が続き、会場のあちこちからはどよめきが。しかし最後には、「ごめんなさい、今トレーラー的に皆さんの興味を引くようなことを言いました!」と茶目っ気たっぷりの謝罪をするサラさんでした。
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シーズン5では、フランスでの就学ビザが切れてしまった関係で、テツオが東京に帰国するという展開に。アストリッドとの関係を不安に思うファンも多いなか、「舞台を東京に移した『アストリッドとラファエル』東京編が始まる可能性は…!」という司会の渡辺真理さんの言葉に会場からは拍手が!
サラさんは、「脚本を手掛けているスタッフのみぞ知ることですが」と断ったうえで、「もしも実現したら本当に素晴らしいですね。夢が叶った瞬間といえるでしょう」と締めくくりました。
イベントでは、事前にアンケートで集めた「もう一度観たい名シーン」をランキング形式で発表しました。キャストのお二人と一緒に名シーンを振り返りながら、ここでしか聞けない撮影秘話を伺いました。ランキングと共に、キャストのお二人からのコメントも併せてご紹介します。
10位:シーズン1第1話 犯罪資料局でアストリッドとラファエルが初めて出会うシーン
9位:シーズン4第1話 初めてラファエルがアストリッドの部屋にお泊りしたシーン
8位:シーズン3第6話 バッハのパルティータの生演奏を鑑賞後、アストリッドとテツオが初めてキスを交わしたシーン
7位:シーズン4第7話 アストリッドとテツオが囲碁をしている際に二人の手が触れ合い心を通わすシーン
6位:シーズン2第5話 アストリッドとテツオの初めての公園デート。無言のまま帰り際に「さようならタナカさん」「さようならアストリッド」とだけ交わしたシーン
10位から6位までには、アストリッドとテツオの関係性が丁寧に描かれたシーンが多くランクインしました。
「素晴らしいチョイスだと思います」と語ったケンゴさん。サラさんは、テツオとアストリッドのシーンでは自分でもどうなっていくのか分からないまま挑んでいるそうで。
「(ケンゴさんが)常にこちらの様子を窺いながら、適切に導いてくれました。(彼との共演シーンは)シャボン玉に包まれて安全な場所にいるかのように感じることができます」。
一方ケンゴさんは、台本にあるセリフや動きはある程度把握しつつも、実際に撮影が始まってから、サラさんがどのようにセリフを発し、どのように動くのかに常に反応しながら演技に取り組んでいるそうです。「いつも撮影を楽しみにしています」と笑顔で語ってくださいました。
5位:シーズン1第1話 食堂でアストリッドのお決まりの席にいた男性たちがアストリッドをバカにすると、ラファエルが男性たちを脅して席を移動させるシーン
4位:シーズン1第1話 カフェでラファエルが布ナプキンで”9つの点の謎”を解く。それを見たアストリッドが初めて笑い、その笑顔をラファエルがうれしそうに見つめるラストシーン
3位:シーズン4第7話 異母弟のニルスがアストリッドの家に滞在中に捜査に行くことになり、アストリッドは“信頼する人”として母に子守をお願いする。アストリッドと母の“雪解け”を感じるシーン
実はアストリッドの母親マチルダを演じているのは、サラさんのお母様であるエリザベス・モーテンセンさん。サラさんは今改めてこのシーンを見ると心にグッとくるものがあるそうで。
子供を持ったことがないアストリッドに対して、ニルスも「子守を任せられるのは信頼できる人だよ」とシンプルに伝え、そこでアストリッドの母親が選ばれる…という、アストリッドが少しずつ進化していることがよくわかるシーンで、「お互いの欠点を認め合いながら信頼を深めていくアストリッドと母親の関係はととても美しいと思います」と締めくくりました。
2位:シーズン1第1話 ラファエルがウィリアムに捜査協力を依頼し、その結果を電話で報告する際、ラファエルがウィリアムのことを”友達”と言い、それを聞いたウィリアムがうれしそうに微笑むシーン
ウィリアム役を見事に演じているジャン・ブノワ・スイルさんは、今では親友の一人だと語ったサラさん。
社会力向上クラブのメンバーを演じている俳優の中には、定型発達の俳優は二人しかいないそうで。撮影現場では、自閉スペクトラム症の俳優が定型発達の人物を演じ、定型発達の俳優が自閉スペクトラム症の人物を演じる…というように、平等な条件の俳優として活躍しているそうですよ。
今回のイベントでは、来場者全員に青いバラのコサージュが配られました。胸に咲く青いバラは、アストリッドの好きな色でフランスから来たお二人への歓迎しようという意味だけでなく、自閉症のシンボルカラーとして制定された色でもあります。「癒し」や「希望」という意味が込められた誰の心にも沁みる澄んだ色は、「世界自閉症啓発デー」である4月2日に東京タワーがライトアップされる色でもありますね。
1位:シーズン1第6話 アストリッドがラファエルに指ぬきをプレゼントした理由を聞かれ、アストリッドが「あなたは私の指ぬきよ」と言ったシーン
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アンケートに答えた人の約53%が支持し、堂々の第1位に輝いたのはやはりこのシーンでした。「なぜ指ぬきをプレゼントしてくれたの?」と尋ねたラファエルに対して、「指ぬきをしなければ針で怪我をするかもしれません」といった後に、アストリッドが言ったのがこのセリフでした。
海外でも多くのファンからこのシーンに関するメッセージを受け取ったというサラさん。撮影が終わってからこのシーンを観るのは初めてだったそうで。「作品を象徴する素晴らしいセリフを入れてくれました」と言ったのち、「人生で大変なことを避けることはできないけれど、誰かが支えてくれれば乗り越えていける、愛というものについて再認識することができました」と、このシーンが多くのファンの心に響いたことに感動した様子で締めくくりました。
イベントの最後では、日本のファンから集まったメッセージを添えたメッセージボードが登場!メインキャストの4人(アストリッド、ラファエル、テツオ、ニコラ)のイラストと共に、ドラマに対する心温まるメッセージが一面に描かれた、世界に一つしかないメッセージボードを、ぜひフランスに連れて帰ってほしいとキャストのお二人にプレゼントされました。大喜びのお二人と、会場に集まった日本のファンとの記念撮影も行われ、イベントは温かい雰囲気で幕を閉じました。
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最後のご挨拶では、イベントに来場した人、そして生配信でイベントの様子を一緒に楽しんだ人も含め、多くの日本のファンへの感謝の気持ちを伝えてくださったお二人。イベント終了直後、なんと退場したお二人が再度ファンの前に戻ってきてくださり、会場に集まったお客さん全員と握手やハグをするという前代未聞のファンサービスまでありましたが!無事にイベントは幕を閉じました。惜しくも抽選を外れてしまったファンの皆さん、サラさんとケンゴさんは「またお会いしましょう」という言葉を残してくださいました…!
ファンミーティングのチャンスがこれからも到来することを期待しつつ、まずは現在鋭意制作中というシーズン6の日本上陸まで待機していきましょう!来日記念として、ミステリーチャンネルではシーズン1から5までの一挙放送も予定されていますので、そちらもぜひチェックしてみてください。またスカパー!番組配信のミステリーチャンネルオンデマンドでは、本イベントの模様を見逃し配信中ですので、スカパー!でミステリーチャンネルをご覧になられている方は是非ご覧ください!
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(文:うりまる)
【放送情報】
アストリッドとラファエル 文書係の事件録(シーズン1~5・全41話)
★シーズン1~4・全33話
字幕版:3/20(木・祝)朝6:00~3/21(金) 一挙放送
※見逃し配信あり
★シーズン5・全8話
字幕版:3/22(土)夕方4:00 一挙放送
※見逃し配信あり
※ミステリーチャンネルでの放送情報は、番組公式サイト、または、ミステリーチャンネル カスタマーセンターまでお問い合わせください。
ミステリーチャンネルについて
世界各国の上質なドラマをお届けする日本唯一のミステリー専門チャンネル。「名探偵ポワロ」「ミス・マープル」「シャーロック・ホームズの冒険」「ヴェラ~信念の女警部~」など英国の本格ミステリーをはじめ、「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」などのヨーロッパの話題作や「刑事コロンボ」といった名作、人気小説が原作の日本のミステリーまで、選りすぐりのドラマが集結!ここでしか見られない独占放送の最新作も続々オンエア!
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