2024/05/16

【おすすめドラマ&小説紹介 Part2:“バディ”&“社会派”ミステリー】ミステリーのスペシャリストが選ぶ作品は?!

特集「もっと楽しむミステリー!」Vol.2【おすすめドラマ&小説紹介 Part1】では、ミステリー初心者でも気軽に楽しめる“ゆるめ”ミステリーと、玄人の方でもたっぷり堪能できる“重厚”ミステリーの2つのテーマでおすすめ作品をご紹介してきました。
今回はミステリーの人気ジャンルから、“バディ・ミステリー”と“社会派ミステリー”の2つのテーマでご紹介!人気ジャンルだけに沢山の作品がありますが、ミステリーのスペシャリストが選ぶドラマと小説は、いったいどんな作品なのでしょうか…?

●対照的なコンビの化学反応がたまらない!ミステリーの鉄板 “バディ・ミステリー”

ホームズとワトソン、ポワロとヘイスティングス…。名探偵と相棒は、お互いに⾜りない部分を補い合ったり、事件解決の為に協⼒しながら⼀緒に成⻑していくのも魅⼒の⼀つ。事件の謎解きとともにバディの絆が深まっていく過程も楽しめる、おすすめのバディ・ミステリーをご紹介!

【ドラマ】

『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』

<ドラマ概要>
犯罪資料局で働く几帳面で論理的なアストリッドと、思いついたら猪突猛進のちょっとガサツだけど大らかな刑事ラファエル。正反対の二人がお互いの足りない部分を補い合い協力し合うことで事件を解決していくフランス発ミステリー!お互いの苦悩と孤独を理解しあい、事件を解決したいという情熱を共有することで、徐々に距離が近づき、最強のバディとなっていく。

<推薦文>
互いに異なる性格・考えを持つ人間同士が対話や交流を繰り返していく中でより良い関係を築いていく過程も描かれるヒューマンドラマでもある本作は、学ぶべきところも沢山。シーズンを追うごとに変化し深まるキャラクターの関係性や自閉症のアストリッドの成長物語が楽しめる、ミステリーの枠にはまりきらない秀逸なドラマです!
(文:ミステリーチャンネル編集部)

【放送情報】
『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』
7月放送予定

『レックス~ウィーン警察シェパード犬刑事~』

<ドラマ概要>
今年で放送開始30年!現在もカナダ版が大ヒットしている、1994年から2004年まで続いた“レックス”シリーズのオリジナル版。オーストリア・ウィーンを舞台に、賢く勇敢な警察犬レックスが深い絆で結ばれたモーザーとともに、さまざまな難事件を解決!愛らしいレックスの活躍に、世界中の視聴者が心を奪われた犬好き必見のドラマシリーズ。

<推薦文>
レックスとモーザーの家族のような深い絆で結ばれた名コンビぶりから目が離せない本作。レックスの事件現場での活躍はもちろんですが、パン屋におつかいに行くシーンやモーザーの同僚にいたずらを仕掛けるシーンなど、表情豊かな愛嬌っぷりに思わずメロメロになること請け合い!あなたも気づかぬうちにレックスとモーザーのファンになっていること必至です。
(文:ミステリーチャンネル編集部)

【放送情報】
『レックス~ウィーン警察シェパード犬刑事~(シーズン1~3)』
字幕版:5/27(月)スタート 毎週月曜~金曜 深夜0:00
 

続きはミステリードラマコラム

【小説】

『ストーンサークルの殺人』 ハヤカワ・ミステリ文庫

M・W・クレイヴン(著) 東野さやか(訳)

<あらすじ>
英国カンブリア州に点在するストーンサークルで次々と焼死体が発見された。犯人は死体を損壊しており、三番目の被害者にはなぜか停職中の国家犯罪対策庁の警官ワシントン・ポーの名前と「5」と思しき字が刻みつけられていた。身に覚えのないポーは処分を解かれ、捜査に加わることに。しかし新たに発見された死体はさらなる謎を生み、事件は思いがけない展開へ……

<推薦文>
大人気〈ワシントン・ポー〉シリーズの魅力は、なんといっても主人公ワシントン・ポーと、その相棒ティリー・ブラッドショーのバディ関係! 複雑な生い立ちを持つポーと非凡な才能を持つティリー(そしてどちらも人づきあいが苦手)の二人の関係に注目してお読みください。
(文:早川書房  井戸本 幹也)
 

『南の子供たち』 創元推理文庫

S・J・ローザン(著) 直良和美(訳)

<あらすじ>
「ミシシッピへ行きなさい」私立探偵のリディアは突然母にそう命じられる。父殺しの容疑で逮捕された青年の無実を証明してほしいと、南部の親戚から依頼があったのだ。だが頼れる相棒ビルを伴い町を訪れると、件の青年は拘置所から脱走していた。知られざる中国系アメリカ人の歴史をひもときつつ、事件の解決に奔走するふたり。現代ハードボイルド最高のシリーズ、ここに帰還!

<推薦文>
中国系アメリカ人女性のリディアと、白人男性のビル。対照的な境遇の私立探偵ふたりがコンビを組んで事件に挑む、90年代から続く人気シリーズです。一作ごとに語り手が交代するという特徴があり、今回はリディアが語り手の『南の子供たち』をあげましたが、ビルが語り手の作品含め全作オススメです。
(文:東京創元社 宮澤 正之)
 

『消えたファラオの財宝を探しだせ』(上・下) 扶桑社ミステリー 

クライブ・カッスラー&グラハム・ブラウン(著) 土屋晃(訳)

<あらすじ>
嵐のスコットランド。当地で休暇を取っていた米国立海中海洋機関(NUMA)のオースチンとザバーラは荒れ狂う波に揉まれるトロール船を発見し、その救援に向かった。危機一髪で乗組員の救助には成功したものの、オースチンは船に不審を抱く。彼は謎を突き止めるべく、再び座礁したトロール船に向かう。そこで発見された意想外な謎の遺物とは・・・。今、歴史を揺るがす財宝争奪戦が始まる! NUMAファイルシリーズ第17弾!

<推薦文>
扶桑社ミステリーの「バディもの」といわれて、ふと考えてから「ああ、これしかないじゃないか!」と。快男児カート・オースティンと魂の相棒ジョー・ザバーラ。二人の手にかかれば、どんな海難事故も世界的陰謀もすべて解決!ミステリーチャンネルのファンはもちろん、アクションチャンネルのファンにも最高に楽しんでもらえる究極のエンタメがここにあります。
(文:扶桑社 吉田 淳)

●社会に潜む問題に切り込む!時代を描く社会派ミステリー

時代を映し出す鏡でもある社会派ミステリー。現代社会が抱える問題や世相を反映したこのジャンルのミステリーは、リアリティーがある分、色々考えさせるものがあります。当時の時代の様子が描かれる中にも人間の普遍的なものを感じられたり、人間の心理が深く描かれているのも特徴。そんな社会派ミステリーの世界を堪能したいおすすめの作品をご紹介!

【ドラマ】

『ミスター・ベイツvsポストオフィス』

<ドラマ概要>
2000年代英国で700人以上もの無実の郵便局長らが、 ITシステムの欠陥を要因とする問題により窃盗や詐欺などの罪に問われ、家も財産も名声も失い、そして投獄される者や屈辱に耐えられず自殺者まで発生した、英国史上最大規模の冤罪スキャンダルを描く。

<推薦文>
冤罪事件の内容も信じられないものですが、このドラマ放送をきっかけに事件が再注目され、世論や英国政府をも揺るがし、早期解決の行動に追い込むほどの影響力を与え社会現象にもなったという、まさに“ドラマが社会を動かした”作品。TVドラマというものが、いかに人々の心に訴えかけ関心をつかむ力を持っているのかというのを改めて見せつけられたこの話題作を、ぜひ一度はご覧頂きたいです。
(文:ミステリーチャンネル編集部)

【放送情報】
『ミスター・ベイツvsポストオフィス(全4話)』
字幕版:6/2(日)夕方4:00 一挙放送
 

『ティールとベルネ ミュンスターの事件現場』

<ドラマ概要>
1970年に旧西ドイツで制作されてから50年以上続く、ドイツ最長の長寿TVドラマ「Tatort」(「事件現場」の意味)シリーズ。ドイツの各都市を舞台にしたTVシリーズで、2002年から続くミュンスターを舞台にした今作は、1400万人以上の視聴者数を獲得したこともある、シリーズの中でも最も人気が高い作品。皮肉っぽくて高飛車で雄弁な法医学者ベルネと、物静かな刑事ティールの対照的な2人が、絶妙なコンビネーションで事件解決に挑む!

<推薦文>
ドイツでは、放送時間帯は電話してはいけないという暗黙のルールまでもが存在するという、まさにドイツを代表する国民的ドラマ。そんな人気ドラマが日本でもミステリーチャンネルでも観られます!正反対のコンビが織り成すドタバタ劇も見どころ(その点では“バディ・ミステリー”としても推したい!)ですが、現代ドイツの社会問題を扱ったエピソードが多いのが特徴。政治的社会的な話題を盛り込んだ硬派なドラマでありながら、決して“完璧”ではない人間味のある個性的な刑事たちのキャラクターの面白みもあって、社会派ミステリーでありながらも堅苦しくなく楽しめるドラマです。
(文:ミステリーチャンネル編集部)

【放送情報】
『ティールとベルネ ミュンスターの事件現場(全5話)』
字幕版: 6/23(日)夕方4:00 一挙放送
 

【小説】

『検察官の遺言』 ハヤカワ・ミステリ文庫

紫金陳(著) 大久保洋子(訳)

<あらすじ>
地下鉄の駅で爆弾騒ぎを起こした男のスーツケースから元検察官・江陽の遺体が発見された。男は著名な弁護士・張超で、自分の教え子だった江陽の殺害を自供する。だが初公判で、張超は突然自供を覆し、捜査は振り出しに。警察は再捜査を進める中で、死んだ江陽が12年前の溺死事件を追っていたことを知る。それは、社会を覆う巨悪と、信念を貫く検察官との壮絶な闘いの記録だった……。

<推薦文>
中国の東野圭吾とも称される著者・紫金陳による社会派ミステリの傑作である本作は、物語のラストで中国の現体制の恐るべきタブーを暴き出します。様々な意味で驚愕すること間違いなしのラスト一行をお読み逃しなく。
(文:早川書房  井戸本 幹也)
 

『夜明けを探す少女は』 創元推理文庫

ジュリアナ・グッドマン(著) 圷香織(訳)

<あらすじ>
シカゴの高校に通う黒人の少女ボーは、卒業を機に街を出ると決めていた。絵の才能を活かし、盗みも撃ち合いもないどこか遠くへ行くのだ。そんな十六歳の冬、姉のカティアが不法侵入の疑いで警官に射殺された。外の安全な世界をボーに教えた姉が、犯罪に手を染めるはずがない。無実を証明するため、ボーは消えた目撃者を探しはじめる。姉妹の絆が胸を打つMWA賞最終候補作!

<推薦文>
黒人の少女を主人公に据えた、いまだ根強い人種差別問題に正面から向きあう物語であると同時に、妹の視点から姉の死の真相を探すミステリでもある本書。主人公ボーのひたむきさが印象的で、青春小説としても読ませます。弊社の話題作『自由研究には向かない殺人』と同じく、10代の人にも手に取ってほしい一冊です。
(文:東京創元社 宮澤 正之)
 

『アリス連続殺人』 扶桑社ミステリー

ギジェルモ・マルティネス(著) 和泉圭亮(訳)

<あらすじ>
アルゼンチンから来たオックスフォード大学の給費留学生である「私」は、旧知の数学者セルダム教授から秘密の依頼を受ける。ルイス・キャロルの喪われた日記にまつわる、新出の書類の筆跡鑑定をしてくれというのだ。ルイス・キャロル同胞団内部に蠢く不穏な空気を破ってやがて幕を開ける悲劇。アリスと論理数列に彩られた知の迷宮に挑むセルダムの叡智が見出した真実とは。アルゼンチン発、本格ミステリーの新地平!

<推薦文>
一見、碩学の教授探偵と学生のコンビが活躍するバリバリの本格ものなのですが、実はこの作品、きわめて現代的な社会の闇に斬り込んでいるのです。小児性愛、ハラスメント、過去の道徳的断罪…まさに「誰しもが直面している問題」に本格の枠組みのなかで鋭く迫る一冊。担当していて「日本の今」とのシンクロぶりに震えました。
(文:扶桑社 吉田 淳)

●最後に

今回は、“バディ”&“社会派”ミステリー10作品をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?気になった作品はありましたか?スペシャリスト選出の “お墨付き”作品をぜひご覧頂き、ミステリーを楽しむ一助になれば幸いです。

特集「もっと楽しむミステリー!」次回のコラムでは、Vol.4「対談:放送&出版裏話~作品選定から放送・出版までの道のり」をお届けします。なかなか聞く事ができない業界裏話!6月公開予定ですので、次回もどうぞお楽しみに!

特集「もっと楽しむミステリー!」では、プレゼントキャンペーンも実施中です。ミステリーのスペシャリスト厳選のおすすめミステリー作品をプレゼント!

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(文:ミステリーチャンネル編集部)

 

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世界各国の上質なドラマをお届けする日本唯一のミステリー専門チャンネル。「名探偵ポワロ」「ミス・マープル」「シャーロック・ホームズの冒険」「ヴェラ~信念の女警部~」「SHERLOCK シャーロック」など英国の本格ミステリーをはじめ、「アストリッドとラファエル文書係の事件録」などのヨーロッパの話題作や「刑事コロンボ」といった名作、人気小説が原作の日本のミステリーまで、選りすぐりのドラマが集結!ここでしか見られない独占放送の最新作も続々オンエア!

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