2024/04/18

【おすすめドラマ&小説紹介 Part1:“ゆるめ”&“重厚”ミステリー】ミステリーのスペシャリストが選ぶ作品は?!

特集「もっと楽しむミステリー!」Vol.1「ミステリーの基本の”き”」では、ミステリーの歴史をご紹介しましたが、様々な出来事が影響を与え合い、ミステリーが発展してきたことがわかりました。また、本格ミステリーはもちろん、倒叙ミステリー、ハードボイルド、社会派、など様々なジャンルが長い歴史を経て生まれてきたことにも触れました。
ミステリーは、そんな派生ジャンルはもちろん、その世界観も様々で、ファンを楽しませてくれています。今回のVol.2では、ミステリー初心者でも気軽に楽しめる“ゆるめ”ミステリーと、玄人の方でもたっぷり堪能できる“重厚”ミステリーの2つのテーマで、スペシャリストが選ぶドラマと小説をご紹介します!

●気軽に楽しむ、“ゆるめ”ミステリー

ミステリーってなんか難しそう、どれから手を付けたらいいのか良くわからない…という方、今日はちょっと疲れているから、サクっと楽しめるものがいいんだよね…、という方におすすめしたい作品をご紹介!

【ドラマ】

『シェパード警部 ブロークンウッドの事件簿』

<ドラマ概要>
“ニュージーランドのバーナビー警部”とも称される話題のミステリー。ニュージーランドの他、アメリカ、フランス、韓国など世界中で展開され、エドガー賞TVエピソード部門にノミネートされるなど各国のアワードを賑わせている人気シリーズ! 一見のどかで平和な小さな町で起こる不可解な殺人事件を、捜査のはじめに遺体に話しかけることをポリシーとする変わり種のシェパード警部が相棒クリスティンとともに解決していく。

<推薦文>
言わずと知れた映像大国ニュージーランドのミステリーシリーズ。ドラマの中でも、有名ハリウッド超大作のロケ地ツアーにまつわる事件も登場します。南半球の明るくきれいな景色も楽しめ、登場人物のキャラにも親しみがもて、のんびり気軽に観られるミステリーです(だけど謎解きはしっかり!)。2014年から現在も続く長寿シリーズですが、これだけ愛され続けているというのも納得のミステリーです!
(文:ミステリーチャンネル編集部)

【放送情報】
\ 新シーズン登場/
『シェパード警部 ブロークンウッドの事件簿(シーズン5、6・全8話)』
字幕版:5/5(日・祝)午後2:30 一挙放送
★新シーズン放送前に、シーズン1~4も一挙放送
字幕版:5/4(土・祝)朝6:00
 

『ブラウン神父』

<ドラマ概要>
奇想天外なトリックは探偵小説随一と言われ、コナン・ドイルと並び称されるG・K・チェスタトン原作の大人気ドラマシリーズ!まん丸顔に大きな帽子とこうもり傘がトレードマークのブラウン神父が、英国の小さな村で起こる難事件を、神父ならではの観察眼で容疑者の心理を見抜き、トリックを暴く!古典ミステリーに現代的アレンジを加えた英BBCの人気シリーズ!

<推薦文>
長年、懺悔を聞いてきたことで培われた抜群の推理力で事件の謎を解くブラウン神父。素朴な彼の人柄(刑事コロンボのキャラクターを作る際に影響を受けたのが、ブラウン神父!)や、村の噂話や情報を拾ってくるミス・マープルやジェシカおばさん的存在のサブキャラ達にも注目!丁寧にひも解く謎解きはもちろん、美しい田園風景や1950年代のノスタルジックなファッションも見どころの、まったりと楽しめるミステリーです。
(文:ミステリーチャンネル編集部)

【放送情報】
\ 新シーズン登場/
『ブラウン神父(シーズン11・全10話)』
字幕版:5/6(月・振休)夕方4:00 一挙放送
 

続きはミステリードラマコラム

【小説】

『2分間ミステリ』 ハヤカワ・ミステリ文庫

ドナルド・J. ソボル(著) 武藤崇恵(訳)

<あらすじ>
銀行強盗を追う保安官が拾ったヒッチハイカーの正体とは? 屋根裏部屋で起きた、首吊り自殺の真相は? 一攫千金の儲け話の真偽は? 制限時間は2分間、きみも名探偵ハレジアン博士の頭脳に挑戦! 事件を先に解決するのはきみか、博士か?
いつでも、どこでも、どこからでも楽しめる面白推理クイズ集第一弾

<推薦文>
ミステリを読むのはハードルが高い! 難しそう! なんて思っている人もぜひ本書をお手に取ってみてください。謎を解くのに必要な時間はたった二分間。電車の中で、家事の合間に、寝る前に少し、いろんなシーンで謎解きミステリパズルが楽しめちゃいます! 続篇の『もっと2分間ミステリ』『まだまだ2分間ミステリ』も合わせてどうぞ。
(文:早川書房  井戸本 幹也)
 

『平凡すぎて殺される』 創元推理文庫

クイーム・マクドネル(著) 青木悦子(訳)

<あらすじ>
“平凡すぎる”顔が特徴の青年・ポールは、わけあって無職のまま、彼を身内と思いこんだ入院中の老人を癒(いや)す日々を送っていた。ある日、慰問した老人に誰かと間違えられて刺されてしまう。実は老人は有名な誘拐事件に関わったギャングだった。そのためポールは爆弾で命を狙われ、さらに……。身を守るには逃げながら誘拐の真相を探るしかない!? これぞノンストップ・ミステリ!

<推薦文>
ひょんなことから事件に巻きこまれ――というのはよくある物語の導入ですが、「ベストオブひょんなこと」で始まるのが本書。何しろ主人公が「あまりにも平凡で、どこにでもいそうな顔」なのが原因なのですから! 他人事とは思えない、いやでもここまで散々な目にはあわないはず……と、するする一気読みしてしまう快作です。
(文:東京創元社 宮澤 正之)
 

『5分間ミステリー あなたが陪審員』 扶桑社ミステリー

マーヴィン・ミラー(著) 高橋知子(訳)

<あらすじ>
当法廷へようこそ!読者のあなたは、これから陪審員として裁判に立ちむかいます。まず、それぞれの訴訟の内容をよく読んでください。裁判の原告と被告は、まったく異なる説明をしてくるでしょう。そのうえであなたは、提示された証拠物件をじっくり検討し、評決をくださなければなりません。判断を誤れば無実の人が刑務所に送られることになります。さあ、法廷に正義をもたらすため、あなたの眼と脳細胞をフル活動させてください。

<推薦文>
まずは、気軽に愉しめるミステリークイズブックをレコメンドいたします。弊社では昔から『5分間ミステリー』(ケン・ウェバー)や『絵解き5分間ミステリー』(ローレンス・トリート)など、海外のミステリークイズをご紹介してまいりました。こちらと『5分間ミステリー 裁くのはきみだ』の2冊はその最新版となります。
(文:扶桑社 吉田 淳)

●見応え&読み応え抜群の“重厚”ミステリー

続いては“重厚”ミステリーおすすめ作品のご紹介です。休暇や移動時間でまとまった時間がとれる時は、ドラマや小説の世界に入り込んでミステリーを楽しみたいもの。じっくり腰を据えてどっぷりと物語の世界観にハマりたい人向けの、見応え&読み応え抜群の“重厚”ミステリーをご紹介!

【ドラマ】

『ヴェラ~信念の女警部~』

<ドラマ概要>
英国推理小説界の至宝アン・クリーヴス原作のドラマ化。今やITVの看板ドラマとなった英国の国民的人気シリーズ。イングランド北東部を舞台に、仕事中毒で部下に対して厳しい一面を持つ、言わば鬼上司的な刑事ヴェラが、人間の心の機微を深く読み取りながら事件を解決に導く。

<推薦文>
イギリスらしい荒涼とした景色を舞台に繰り広げられる、これぞ“THE英国本格ミステリー”。本国で現在13シーズンまで続いている人気シリーズです。登場人物たちの心情を丁寧に描きながら、事件の謎に迫る過程をじっくり堪能できます。捜査への情熱ゆえに、時に辛辣な物言いをするヴェラですが、被害者や事件関係者の心に寄り添う優しい一面にはグっときます。時に涙してしまう、心を打つミステリーです。
(文:ミステリーチャンネル編集部)

【放送情報】
『ヴェラ~信念の女警部~(シーズン13・全3話)』
字幕版:5/12(日)夕方4:00 一挙放送
★新シーズン放送前に、シーズン1~12も放送
字幕版:4/8(月)午前11:00スタート
 

『シェトランド』 

<ドラマ概要>
「ヴェラ~信念の女警部~」の原作者アン・クリーヴスが英国推理作家協会(CWA)最優秀長編賞を受賞したシリーズのドラマ化!舞台は、スコットランドの北方にあるシェトランド諸島。ほとんどの島民が顔馴染みという世界で、濃密な人間描写、緻密な伏線、大胆なトリックで綴られるミステリー。シーズン7から、ダグラス・ヘンシュオール演じる主人公ジミー・ペレスに変わり、アシュリー・ジェンセン演じるルース・コールダー警部を新たな主人公として迎える。

<推薦文>
島が舞台ということで閉鎖的なコミュニティでの事件が描かれる、究極のクローズド・サークル・ミステリーです。イギリス本土からも離れたシェトランド諸島という地理的条件が活かされた本作。狭い世界だからこその妬みからくる事件の緻密な謎解きとともに、主人公ペレス警部(シーズン6で降板)を取り巻く同僚や家族、島民たちの暮らしぶりも描かれた人間ドラマとしても堪能できる作品です。シーズン7で主人公がルース・コールダー警部に変わりますが、本国ではシーズン8以降も続投決定!!
(文:ミステリーチャンネル編集部)

【放送情報】
『シェトランド(シーズン7・全3話)』
字幕版:5/26(日)夕方4:00 一挙放送
★新シーズン放送前に、シーズン1~6も放送
字幕版:5/11、18、25(土) 毎週土曜夕方4:00
 

【小説】

『哀惜』 ハヤカワ・ミステリ文庫

アン・クリーヴス(著) 高山真由美(訳)

<あらすじ>
イギリス南西部の町ノース・デヴォンの海岸で死体が発見された。捜査を行うマシュー・ヴェンは、被害者は近頃町へやってきたサイモンというアルコール依存症の男で、マシューの夫が運営する複合施設でボランティアをしていたことを知る。交通事故により子供を死なせたことで心に病を抱えながらも、立ち直ろうとしていた彼を殺したのは何者なのか?英国ミステリの巨匠が贈る端正で緻密な謎解きミステリ。

<推薦文>
「ヴェラ~信念の女警部~」「シェトランド」の原作を書いた著者による、〈マシュー・ヴェン〉シリーズの第一作。平和そのものであるはずのノース・デヴォンの町に、一体何が起こっているのか? 巨匠アン・クリーヴスが丁寧に描いていく人間関係と、重厚な物語をお楽しみください。
(文:早川書房  井戸本 幹也)
 

『古書の来歴』 創元推理文庫

ジェラルディン・ブルックス(著) 森嶋マリ(訳)

<あらすじ>
伝説の古書『サラエボ・ハガダー』が発見された――その電話が、数世紀を遡る謎解きの始まりだった。この本は焚書(ふんしょ)や戦火の時代を経ながら、誰に読まれ、守られ、現代まで生き延びてきたのか? 古書鑑定家のハンナは、ページに挟まった蝶の羽からその旅路をひも解いてゆく。――科学調査に基づく謎解きの妙と、哀惜に満ちた人間ドラマが絡み合う、第2回翻訳ミステリー大賞受賞作! 訳者あとがき=森嶋マリ

<推薦文>
「本をひもとく」という素敵な表現が、ふたつの意味で当てはまるのが本書です。ひとつにはこれが、伝説の古書の歩んできた旅路を、古書に残された手がかりからひもとく(謎を解く)物語であるという意味。さらにその物語を、来歴を、私たち読者自身がひもといてゆく――! ページをめくる喜びに浸れる傑作歴史ミステリです。
(文:東京創元社 宮澤 正之)
 

『シンプル・プラン』 扶桑社ミステリー

スコット・スミス(著) 近藤純夫(訳)

<あらすじ>
ある雪の日の夕方、両親の墓参りに向かうため、ハンク・ミッチェルは兄とその友人とともに町はずれの道を車で走っていた。途中ひょんなことから、彼らは小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。そこには、440万ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。何も危険がないと自らに納得させ、3人はその金を保管し、いずれ自分たちで分けるためのごくシンプルな計画をたてた。だがその時から、ハンクの悪夢ははじまっていた。

<推薦文>
『このミステリーがすごい! 1995年版』海外編1位を獲得した、弊社を代表する一作。「手を汚し、罪を重ね、堕ちて堕ちて堕ち続ける。誰の内にもある人間の愚かしさと恐ろしさをこれほどシンプルな構成で深く生々しく残酷に掘り下げた、一瞬も目が離せないほど強烈な小説は他にない」
(宇田川拓也氏、ときわ書房本店)

●最後に

“ゆるめ”&“重厚”ミステリー10作品をご紹介しましたが、いかがでしたか?あなたの好きな作品、観てみたい、読んでみたい、という作品はありましたか?
同じ謎解きを軸にしていても、 “ゆるめ”から“重厚”という幅を楽しめるのもミステリーの魅力ですよね。皆様が新たな作品に触れるきっかけなれば嬉しいです。
特集「もっと楽しむミステリー!」次回のコラムでは、Vol.3【おすすめドラマ&小説紹介 Part2:バディ&社会派ミステリー】をお届けします。5月公開予定です。どうぞお楽しみに!

特集「もっと楽しむミステリー!」では、プレゼントキャンペーンも実施中です。ミステリーのスペシャリスト厳選のおすすめ書籍をプレゼント!

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(文:ミステリーチャンネル編集部)

 

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