2024/12/05

“クリスマスにはクリスティーを!“の由来とは?今読みたいおすすめアガサ・クリスティー作品もご紹介【早川書房インタビュー】

 “クリスマスにはクリスティーを!”ということで毎年12月にはミステリーチャンネルでも「アガサ・クリスティー特集」をお届けしています。「特集 もっと楽しむミステリー」今回は、何気なく耳にしていた“クリスマスにはクリスティーを”のキャッチコピーについて、その由来を早川書房様にインタビュー。

クリスマスに読みたいクリスティー作品もご紹介いただいていますので、ぜひご覧ください。

(井):早川書房 ミステリマガジン編集部 井戸本様
(ミ):ミステリーチャンネル編集部

●”クリスマスにはクリスティーを”の由来

(ミ)早速ですが、”クリスマスにはクリスティーを”の由来について教えてください。

(井)1950年代の後半から、アガサ・クリスティーはそれまで保ってきた年に二、三冊の小説を刊行するペースを緩め、年に一冊ずつ刊行していくことになります。その、年に一冊のクリスティー作品が刊行される時期がちょうどクリスマスの時期にあたるため、出版社のウィリアム・コリンズが「A Christie for Christmas(クリスマスにはクリスティーを)」のキャッチコピーをつけて売り始めたのが由来だとされています。クリスティー作品のコージーな雰囲気と、クリスマスの雰囲気はピッタリで、さらにきれいに頭韻を踏んで口にしやすいこのキャッチコピーは瞬く間に世界的に有名なものになりました。

(ミ)刊行時期がクリスマス時期になったことは偶然にも良いタイミングでしたね。つい言いたくなる、聞いていても気持ちの良い響きです。

●現在のイギリスでの習慣について

(ミ)今でもイギリスではクリスマスにクリスティー作品を読む習慣が続いているのでしょうか?

(井)はい、今もなお、イギリスでは「クリスマスにはクリスティーを」のキャッチコピーでクリスティー作品を読む習慣があるようです。今年(2024年)は、キャッチコピーをそのままタイトルにしたイベントがイギリスで開催されました。出版社のハーパー・コリンズが主催したもので、ヴァシーム・カーンやルーシー・フォーリーといった現代英国ミステリを代表する作家たちも参加して、読者たちと一緒に『そして誰もいなくなった』の読書会を行ったそうです。

(ミ)今年もそのままタイトルにしたイベントが行われていたのですね!貴重な情報をありがとうございます。現在でもそうやって一つのイベントごととして受け継がれていることに驚きました。

●おすすめクリスティー作品

(ミ)そんな「クリスマスにはクリスティーを!」に倣って、数あるクリスティー作品の中から、この時期に読んでほしいおすすめのクリスティー作品を教えてください。

(井)3作品ご紹介いたします。

・おすすめ1
『ポアロのクリスマス〔新訳版〕』

著:アガサ・クリスティー
訳:川副 智子

富豪の血族が一堂に会する聖夜、事件は起きた。偏屈な老当主シメオンが殺されたのだ。部屋は中から鍵がかかり、窓も塞がれていた。館にいたのは家族と使用人だけ。跡継ぎとして父親に振り回されてきた長男、犯罪歴のある次男、金に困っている三男、当主に不満を抱く使用人……犯人は誰か? 密室殺人にポアロが挑む。クリスマスにぜひ読みたい一冊です!

・おすすめ2
『クリスマス・プディングの冒険』

著:アガサ・クリスティー
訳:橋本 福夫,小尾 芙佐,小倉 多加志,宇野 利泰,小笠原 豊樹,福島 正実

英国の楽しい古風なクリスマス。そんな時でもポアロは推理にあけくれていた。外国の王子がある女に由緒あるルビーを奪われたので、それを見つけてほしいというのだ。女が潜む屋敷へと赴いたポアロは探偵活動を開始する。表題作ほか短篇の名手クリスティーによる短篇のフルコースを召し上がれ。クリスマスには短篇を少しずつ読んでいくというのもいいのではないでしょうか。ぜひお楽しみください。

・おすすめ3
『クリスマスの殺人 クリスティー傑作選』

著:アガサ・クリスティー
訳:乾 信一郎,真崎 義博,中村 妙子,嵯峨 静江,坂口 玲子,宇野 輝雄,田村 隆一,深町 眞理子

「クリスマスにはクリスティーを!」のキャッチコピーにふさわしい豪華本。ミステリの女王アガサ・クリスティーの短篇から、冬をテーマにした作品を収録した傑作選。ポアロ、ミス・マープル、トミーとタペンス、クィン氏と、クリスティーを代表する名探偵たちが勢ぞろい。クリスティー・ファンとミステリ愛好家に贈るクリスマス・プレゼントです。

(ミ)ありがとうございました!

先日ミステリーチャンネルで行ったクリスマスに関する視聴者アンケートでも、クリスマスにまつわる作品で好きな作品を聞きしたところ、『ポアロのクリスマス』、『クリスマス・プディングの冒険』は多くの方々があげていました。

最後に

今回は“クリスマスにはクリスティーを!”の由来について、早川書房様より、貴重なお話をお聞きすることができました。是非これからの時期、「クリスマスにはクリスティーを!」で改めてクリスティー作品に触れてみてはいかがでしょうか?特別なことはしなくても、クリスティー作品に触れることでクリスマス気分を盛り上げてみてください!

ミステリーチャンネル放送ドラマもチェック!

12月のミステリーチャンネルでは、アガサ・クリスティー作品を大特集! 
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