フランスのミステリードラマは、謎解きはもちろん、登場人物の家族、恋人、友人との人間関係を絡めて楽しめます。花の都パリ以外にも、ゆったりとした時間が流れる南仏のプロバンスやモネ、ゴーギャンら多くの画家が訪れ作品に描いたというブルターニュ地方にも魅力的なスポットあり！今回ご紹介するフランスの最新ミステリードラマは、パリ、プロバンス、ブルターニュの景色や文化、食べ物なども一緒に堪能できる贅沢なラインナップ。独占日本初放送作品や、日本初上陸作品も続々登場する7月以降にミステリーチャンネルで楽しめる極上のフランスのミステリードラマをご紹介します！

『パリ警視庁1900』

ミステリーチャンネルで7/6（土）夕方4:00　一挙放送

舞台は1899年のパリ。時のフランス大統領フェリックス･フォールが愛人との密会中に突然死亡。折しもフランスは反ユダヤ主義を背景にした「ドレフュス事件」の影響により社会の分断が進み、反体制派が台頭。治安の維持に不安を抱く政府は、元警視総監のルイ･レピーヌを召喚し、復職させることを決断。そのころパリでは、セーヌ川で女性の切断遺体の入った大きな旅行カバンが発見されて――。

本作の見どころは史実とフィクションを織り交ぜたストーリー展開。そのクオリティの高さは英米でも評価され、ニューヨーク・タイムズ紙では2022年の見るべき最高のテレビ番組の１つにも選ばれ話題となったドラマシリーズ。本作に登場するフェリックス･フォールは実在の大統領で、突然の死は後世に様々な逸話を残しています。ドレフュス事件は、1894年に発生したユダヤ系フランス軍人がスパイ容疑で逮捕された冤罪事件。元警視総監のルイ・レピーヌも実在の人物で、警察の近代化にとどまらず、今日まで毎年開催されている発明家のためのコンテスト“レピーヌ・コンクール”の創設者です。パリ万博、パリ・オリンピックを翌年に控え、パリが最も華やいだ“ベル・エポック”の時代を舞台に、史実とフィクションが織り混ざったリアリティ＆緊迫感のある物語と、衣装や美術はもちろん、男性陣の様々な“お髭”スタイルも楽しめます！

「パリ警視庁1900」番組公式サイト

『正直すぎる捜査官ヴェルネと聖域捜査班』

© Gilles Gustine / FTV / CPBFilms

ミステリーチャンネルで7/13（土）夕方4:00　一挙放送

正直すぎて自分の信念に固執したがために警察をクビになった元刑事ヴェルネは、かつて逮捕した元犯罪者マックスが店主を務める書店でお手伝い中。一方で、司法省と内務省は、金と権力で法の網をかいくぐる“聖域”に裁きを下すために、特別捜査班を立ち上げる。そのチーフに抜てきされた若手検事のモジョディは、捜査班の一員としてヴェルネに白羽の矢を立てる。

原案・脚本は、パリに隣接するセーヌ=サン=ドニ県で長らく警部補を務めた経歴を持ち、その経験を活かした厚みのある犯罪小説で人気を博すフランスを代表する犯罪小説家オリヴィエ・ノレック。主人公のヴェルネがお客さんに煙たがられるほどの犯罪小説のうんちくを垂れている様子にリアリティがあるのも納得です。チーフは若手検事のモジョディ、嘘がつけない正直者のヴェルネ、天才ハッカーのマロリー、そして実家が富裕層の気弱なジュリアンという特別捜査班のメンバーが、聖域とその支援者たちによる激しい妨害と闘いながら、隠蔽された不都合な真実に迫る姿は応援したくなるし、一緒に暴きたい！という気持ちが込み上げてきます。名もない小さい力（組織）が、大きな権力に立ち向かう姿にワクワクし、暴き、倒した時にはなんとも言えない爽快感が味わえるはず。

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『アーバス教授の殺人事件講座』

© UGC FICTION/TF1/Be-FILMS/RTBF (Télévision belge) MMXXIII

ミステリーチャンネルで7/20（土）夕方4:00　一挙放送

8年前のある事件をきっかけに犯罪捜査の現場から離れ、大学で教鞭をとっている一流犯罪学者のルイーズ･アーバス。しかし、ルイーズの著書の一節を引用して彼女に挑戦する連続殺人犯が現れたことで、再び警察に捜査協力することを決意。殺人犯の動機を解明するため、個性豊かな4人の学生を指名し犯罪捜査チームを結成したルイーズは、警部のバーバラと衝突しながらも協力して難事件に挑んでいく！

すでにシーズン2も決定している本作はTF1で2023年に放送されたフランスドラマで、『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』に次いで、2番目に視聴された最新クライムミステリーです。注目はルイーズが犯罪捜査チームのメンバーとして集めた“エリート”学生たち。判事を目指すサミュエル、ハッキングが得意なミア、生真面目な優等生のボリス、ミーハーなヴァレンティーヌら、個性豊かな学生たちが、それぞれの長所を活かして事件解決の糸口を探す姿。学生らしい新鮮な視点が楽しめます。捜査方法も服装も、考え方も違うルイーズと警部バーバラとの噛み合わなさもなんだか面白い。序盤で見えた共通点は“睡眠時間が短い”ことくらい。そんな二人が今後どのように事件を解決していくのかも見どころです。ルイーズがよく口にする「初歩的なことよ」というセリフは、ミステリードラマ好きならピンと来るはず。シャーロック・ホームズがワトソンに言う"Elementary, my dear Watson."をもじったもの。英国ミステリー、ミステリードラマ、ホームズ好きなど様々な方面のミステリー好きに刺さるおすすめドラマです！

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『バルタザール 法医学者捜査ファイル』

© MMXXII - BEAUBOURG STORIES / BEAUBOURG AUDIOVISUEL / TF1 / Be-FILMS / RTBF (Télévision belge) DÉPÔT LÉGAL - 2022 DÉPÔT LÉGAL – 2022

ミステリーチャンネルで7/13（土）夜7:35　一挙放送

チャーミングでハンサム、プレイボーイでいい加減にも見えるけれど、実は妻を事件で失うという悲しい過去を抱えている法医学者バルタザールが、死者と向き合いながら優れた洞察力と法医学で難事件を解決していく、一話完結型のミステリードラマのシーズン5。

人気シリーズの最新シーズンでも相変わらずユニークな事件が多いのも本作が続いている理由の一つですが、やはり一番に注目したいのは主人公バルタザールを演じるトメル・シスレー。知的で優秀な法医学者で、チャーミングでハンサム、さらには料理上手のバルタザールを最新シーズンでも魅力たっぷりに演じています。シーズン5では殺人事件の容疑者となり、警察の追跡から逃れたバルタザールが、モロッコで平穏な日々を送る様子も描かれます。かつての同僚や仲間たちが窮地に陥ったことを知り、彼らを救うべくパリへ戻ることに。真の黒幕である兄・アレクサンドルが仕掛けたゲーム、新たな問題の火種となる獄中でマヤが出産したバルタザールとの子どもなど、気になるワードが絡み合う最新シーズンです。

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『名刑事コールマンの捜査と子育て両立奮闘記』

© François Lefebvre - Episode Production - FTV

ミステリーチャンネルで8/3（土）夕方4:00　一挙放送

シモン･コールマン警部はパリで潜入捜査の名手として活躍する気楽な独身者だったが、ある日突然運命が一転。6週間の潜入捜査を終え、携帯電話の電源を入れると、妹夫妻が交通事故死したという報せが届いていたのだ。「万一の事態が起きたら、子供たちを頼みます」という妹からの遺言状を読んだシモンは、ためらうことなくパリを離れ、急いで遺された子供たちの住むエクサン・プロバンスへ向かう。

フランスで2022年～2024年に放送され、同日のプライムタイムで視聴率トップ（Médiamétrie調べ）を獲得したシリーズです。パリでバリバリ仕事をし、気楽な独身生活を送っていたシモンがためらうことなく妹の子どもたち、高校生のヴィオレット、中学生のクララ、小学生のサムの元に移り住む姿でまず心が掴まれます。新しい環境で犯罪捜査と子育てを両立させるシモンの明るさとユーモアに思わずクスッとなる場面も。クライムミステリーパートではパリで成功した警察官がエクサン・プロバンスの警察署に異動してきたことを訝しがるカスティヨン警部と挑む事件捜査がしっかりと描かれ、仕事と家庭のギャップも注目ポイントに。第1話ではパリとエクサン・プロバンス、それぞれの街の風景が堪能できます。

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『パリジャン刑事デュパン～ブルターニュの事件簿』

© ARD Degeto Wolfgang Ennenbach

ミステリーチャンネルで8/31（土）夕方4:00　一挙放送

大都会パリからブルターニュの田舎町にやってきた、魚アレルギーで海が苦手な殺人課の刑事デュパンが、類まれなる捜査スキルで難事件を解決するクライムミステリー。

本作はちょっと変わり種で、原作は、ブルターニュに魅せられたドイツ人作家ジャン＝リュック・バナレックの人気小説で、フランスを舞台に、ドイツ語を話すキャストによってドイツ人のために作られたという異色のドラマです。パリで都会的な生活に慣れ親しんでいる上に、海が苦手で魚アレルギーのデュパン。そして、ブルターニュの田舎町で暮らす人々も独特の文化や気質を持っているところからはじまります。魚と海が苦手すぎるデュパンの表情にも注目です。

見どころはなんといっても美しいブルターニュ地方を旅する気分が味わえるところ。モネやゴーギャンなど多くの画家が愛し、作品に残したのも納得。海も緑も、断崖も美しい地域の風景はもちろん魚介類が好きな方には食事のシーンもそそります。しっかり冷えた白ワインと魚介のおつまみを用意してじっくりと堪能したくなるドラマです。実際、2014年から2017年にドイツで本作が放送された後、ブルターニュではドイツ人観光客が大幅に増えたとのこと。ブルターニュ観光局のHPにはデュパンが訪れた地図がリストアップされていて、その足跡をたどる旅も人気なのだとか。シリーズを観終わる頃には、次の聖地巡礼先の候補になっているかもしれません！

「パリジャン刑事デュパン～ブルターニュの事件簿」番組公式サイト

昨年に引き続き、注目の作品はこちら！

昨年の放送に続いて新シーズンや新エピソードが登場の作品をご紹介！

「ジュリアとノヴァク　幼馴染みの捜査ファイル」シーズン2が登場！

「マルロー警部のフランスさすらい事件簿」新エピソードが登場！

「農家刑事とパリジェンヌ刑事の捜査ファイル」新エピソードが登場！

「フランス絶景ミステリー コレクション」新エピソードが登場！

また、大人気、「アストリッドとラファエル　文書係の事件録」全シーズン一挙放送も！

こちらの作品は、前回のフランスミステリードラマの記事で紹介しています。合わせてチェックしてみてください！

【2023年版】今見るべき注目のフランスのミステリードラマおすすめ10選

最後に

ミステリーチャンネルでは開局25周年を迎えた2023年より、厳選した珠玉のフランスのミステリードラマを続々とお届け中。7月にはパリを舞台にした作品、8月にはパリ以外のフランスを舞台にした作品、9月にはNEWバディーにスポットを当てた作品が登場します。奥深い歴史、多彩な文化、美しい自然、気の利いた会話や人間模様に触れながら、フランスのミステリードラマの世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

ミステリーチャンネル　7月のおすすめはこちら

ミステリーチャンネル　8月のおすすめはこちら

※ミステリーチャンネルでの放送情報は、番組公式サイト、または、ミステリーチャンネル カスタマーセンターまでお問い合わせください。