2024/07/18

ミステリーのスペシャリストに聞く、ミステリードラマの魅力とは?ドラマと小説合わせて堪能したいおすすめ作品も紹介【早川書房×東京創元社×扶桑社×ミステリーチャンネル】

「特集もっと楽しむミステリー」第5回は、【早川書房×東京創元社×扶桑社×ミステリーチャンネル】という豪華すぎる座談会が実現!国内外のミステリー作品に造詣が深いスペシャリストが語るドラマならではのミステリーの魅力とは?大いに盛り上がった座談会の様子をみっちりご紹介します。

早川書房 ミステリマガジン編集部 井戸本様:(井)
東京創元社 編集部 宮澤様:(宮)
扶桑社 翻訳出版編集部  吉田様:(吉)
ミステリーチャンネル 編成制作部部長 秋山:(秋)&Q

Q.それでは、あらためて自己紹介からお願いいたします。弊社ミステリーチャンネルをご覧いただいているとのことですので、チャンネルの視聴歴と、映像・小説かかわらずお好きなミステリーのジャンルや種類などを教えてください。

(井)早川書房の井戸本と申します。ミステリーチャンネル歴は…おそらくこの中では一番短いのではないでしょうか。大学生の時からなので、大体8年ぐらいですね。シリーズとして一番観ている作品は、『フランス絶景ミステリー コレクション』ですね。あとは『刑事フォイル』や『主任警部モース』シリーズもよく観ています。最近は『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』も楽しんでおります。

(宮)東京創元社編集部の宮澤です。ミステリーチャンネル視聴歴は、自宅にCS放送を入れたときにすでに視聴可能だったので、そこから15年以上は観ているかな、というところです。基本的には雑食でなんでもよく観たり読んだり…という感じですが、本格謎解きものが一番多いでしょうか。日本も海外もどちらもよく楽しみますね。

(吉)扶桑社の吉田と申します。僕がこの三人の中だと最年長だと思うので、チャンネル視聴歴も一番長いのではないでしょうか。移住したときにJCOMに加入して、何気なくチャンネルを回していたら見つけた!という感じです。それ以来ずっと見ていますね。基本的には小さいころからテレビが好きで、関西出身なので、家に帰ると『影の軍団』とか…。

(秋)あー!観てました。千葉真一ですよね。

(吉)…『特捜最前線』とか『必殺』シリーズとかの再放送が矢継ぎ早にやっていて、それを見てから翌日の学校で仲間と内容を語り合う、みたいな中高生時代でした。十分テレビっ子でしたが、『金田一』シリーズみたいな作品は再放送では見ることができなかったんですよね。「昔はこんなに面白い作品がやっていたんだ」ということを知っても、観る手段がない…という期間が長く続きました。そののちに、ミステリーチャンネルさんで思いがけず古い作品に出会うことがあって、楽しく観させてもらっています。『刑事コロンボ』や『名探偵ポワロ』のような王道の作品はもちろん好きですが、僕がここ数年で一番衝撃的だったのは『火曜日の女シリーズ』ですね。「まさかアレをテレビで観られるときが来るとは!」と思いながら楽しんでおります。会社的にはアクションものの小説を扱うことが多いのですが、個人的には本格ものが好きですね。

【ミステリー作品のドラマと小説での楽しみ方について】

Q.かつては「読んでから観るか、観てから読むか」というキャッチコピーが流行りましたが、ドラマと小説、二つの媒体がある中で、ご自身のミステリー作品の楽しみ方を教えてください。

(宮)私は手近にあるものを先に楽しみますね。例えばドラマがミステリーチャンネルさんで放送されているような場合にはドラマを先に観ますし、本が自分の手元にある時には本を先に読む…というタイプです。順番はその時次第ですね。

(秋)ドラマの内容が小説と違う場合、そこが気になる方もいらっしゃると思うのですが、皆様はそのあたりはどのようにお考えですか?

(宮)ある程度違うのは当たり前かな、と。弊社の例でいうと、アンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』が映像化する、という話を最初に聞いた時には「どうやるの?」と疑問に思ったものです。しかしホロヴィッツ自身がドラマの脚本を手掛けるということもあり、完成したドラマを観たときには「なるほど、こう来たか」という感じでした。媒体が変われば違いも生まれるので、そこを楽しむようにしていますね。

『カササギ殺人事件(上・下)』
著:アンソニー・ホロヴィッツ 訳:山田蘭
出版社:東京創元社

(吉)映像表現と小説の違い、という話でいうと、小説は物語を読み進める時間軸を読者側でコントロールできる一方、映画やドラマは制作側が時間軸を支配していますし、(制作の都合によって)途中でシーンが変わったり、翌週に続きをやったり…なんてこともよくあります。そういう意味では、読書の方が能動的な作業で、映像はより身をゆだねる受動的なものになるのではないかと。個人的には、せっかく映像化するのだったら、映像ならではのトリックをやってほしいな、という気持ちはあります。それと、原作者にきちんと了承を取るという前提はもちろん大切ですが、その上で原作とは異なる展開の映像作品を作ることには賛成派ですね。

(井)私も、小説が手元にあるときは小説を、ちょうど放送されているタイミングだったらドラマを楽しむタイプですね。ただ、小説は“ながら読み”ができない反面、ドラマは“ながら観”が可能なので、よく部屋の掃除や料理、エアロバイクなどのお供にテレビやオンデマンドのドラマを流しています。映像ならではの利点だと思います。ただ、字幕版の場合は「ああ、やっぱり伏線見逃してる…」ということもままありますね(笑)。耳の英語力をもっと伸ばしていきたいところです。あとは、自分で小説を読むよりも綺麗な映像を楽しめるという魅力もあります。行ったことのない土地が登場しても、文面からきれいな景色であることは分かるものの、自分で調べてみてもイメージがつかみにくいこともありますが、映像だと一目でわかりますからね。それも映像の醍醐味だと思います。

Q.ミステリーには個性的なキャラクターがつきものですが、映像化が成功した作品、あるいは原作のままの方がよかった作品などありましたらお聞かせください。

(井)『刑事コロンボ』は、ピーター・フォークのあのイメージしかないですよね。

(吉)映像がもともと先でしたからね。

(宮)コロンボの小説を先に読んでいる人はそうそういないかも…(笑)。ただ、先に見た方を「正」だと思うか否か…という話かな、と。

(吉)(小説と映像)どちらが先か、という話でいうと、情報量は映像よりも小説の方が圧倒的に多いですよね。僕はどちらも大好きなんですが、先に小説を読んでいた人が後から映像作品を見て、「物足りない」と感じることが多いのは仕方がないのかな、とは思います。逆のパターンだと「原作も面白かった!」と感動されている方が多い気がしますね。映像を見てから小説を読むと、間違いなく情報量は数倍はあるので、「ああ、こんなところに伏線があったのか!」と発見する面白さがあるとは思います。

(秋)映像側としては、原作が先にあると、どうしても内容を比較されてしまうので先に映像を流したいという気持ちはありますね。…。ただ原作小説へのリスペクトが強いゆえに、再現度の高い『名探偵ポワロ』と『シャーロック・ホームズの冒険』に関してはお声をいただいたことはないですね。『主任警部モース』と『フロスト警部』も同様ですね。

(宮)『フロスト警部』は原作よりもマイルドなテイストに変わっているのですが、原作には当時でもいろんなところから怒られそうなめちゃくちゃなシーンが多いので…。そのまま映像化するのはコンプライアンス的にも不可能ですから、原作を知っている人であればあるほど、映像化されたときの変更に理解があったかもしれません。あれはあれでよい映像化だと私は思っています。

(吉)ちなみに、「原作と違う」という声が上がるのは、もしかして『アガサ・クリスティー ミス・マープル』なんじゃないですか?(笑)

(秋)そうですね。原作をかなり変えたストーリーですし、原作にはマープルが登場しないエピソードもドラマ化していますから。

(吉)原作と犯人が違う回も結構ありますよね。あれは観ていてまあまあ衝撃を受けました。


『アガサ・クリスティー ミス・マープル(シーズン1~6・全23話)』ミステリーチャンネルで8/17(土)午前11:00より放送

© ITV PLC

(秋)ただ、最近製作されているクリスティー作品も、原作の結末を少し変えていますが、あれに関して「原作と違う」ことへの意見が来ないのは、まさしく「原作を知っている人も驚いている」からなのかな、と思います。うまい形で翻案してくれているので。

(井)ポイントを押さえていけば大丈夫、というところはあると思います。原作とは異なる展開だとしても、観ている人が「この人が犯人でもあり得るか…」と思ってくれるかどうか。たとえば『主任警部モース』は、原作者のコリン・デクスター自身がドラマに深く関わっているというところも大きいかと思いますが、原作の流れに合わせつつ、モースのファーストネームにまつわる秘密のような、原作の“ツボ”をきちんと押さえていれば、ドラマのオリジナルの部分があったとしても受け入れやすいのかもしれません。そこをないがしろにされてしまうと、全体的に残念な空気が漂ってしまうのかも…。

(秋)あと松本清張先生の作品は、原作と違っていたとしても、別作品として映像を楽しんでもらっているようです。

(吉)もともと映像向きな作家さんではありますよね。ただ、年々視聴者の原典主義みたいなものは強まっていますよね。

(秋)そうですね…。ただ特に感じるのは、ホームズファンの方はどんな翻案をされても受け入れてくれる懐の広さがある気がします。

(井)だって宇宙生物と戦ったりしていますからね。

(宮)小説の方でもかなり自由な展開が多いので、並大抵のことでは驚かないのかもしれません。ホームズがちゃんと登場さえすれば、あとは何と戦おうが大丈夫なのかもしれません。

(秋)「実はホームズの娘がいた」みたいな内容でも全然…。

(井)大丈夫でしょうね。弊社で今出版しているホームズものでは、クトゥルーの怪物と戦ってますから。

(宮)うちでは宇宙人と戦っていたり、ドラキュラと戦っていたり…。


『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』
著:ジェイムズ・ラヴグローヴ 訳:日暮雅通
出版社:早川書房


『シャーロック・ホームズの宇宙戦争』
著:マンリー・W・ウェルマン&ウェイド・ウェルマン 訳:深町眞理子
出版社:東京創元社

(井)「ホームズ自身が実はドラキュラだった」という本もありますね。

(秋)今度うちで放送予定の『マドモアゼル・ホームズの捜査日記』ではホームズの子孫が登場するのですが…。

(宮)きっと大丈夫でしょう。もちろんドラマのクオリティについて言及する人はいるかもしれませんが、設定自体に怒る人はいないでしょうね。


『マドモアゼル・ホームズの捜査日記(全6話)』ミステリーチャンネルで9/28(土)夕方4:00 独占日本初放送
© HookedCreative

【ドラマと小説合わせて堪能したいおすすめ映像化作品について】

Q.原作小説とドラマをぜひ両方合わせて楽しんでほしいという作品はありますか?

(井)うちは『主任警部モース』ですね。あれはぜひ小説もドラマも楽しんでほしいです。『オックスフォードミステリー ルイス警部』などの派生の作品もありますから、あっちを見てから原作に戻るのもまた感慨深いかな、と。

(秋)実はうちの視聴率の関係でいうと、ついにルイスがモースを抜いて人気になったんですよね。モースはどうしても人間的に厳しすぎる一面があるので、部下に優しいルイスの方が時代に合ったからではないかと分析しています。私としてはオリジナルを推していきたい気持ちもあるんですけどね。


『主任警部モース』
© ITV PLC


『ウッドストック行最終バス』
著:コリン・デクスター 訳:大庭忠男
出版社:早川書房

(宮)うちでいうと『ブラウン神父』です。原作は哲学的な話の中に、奇想天外なトリックや逆説があったりという内容で、ブラウン神父があちこち旅をする中で事件に巻き込まれていくというストーリーです。そもそも原作ではブラウン神父の設定があまり明確に定まっていないというか…いつも同じ教区にいるわけではないですし、作品ごとに違う土地に出向いていることも多いです。


『ブラウン神父の童心』
著:G・K・チェスタトン 訳:中村保男
出版社:東京創元社

(宮)一方ドラマの方は、舞台を1950年代の村に固定してその周りで事件が起きていく…という設定にしたことで、個性的なレギュラーキャラクターも確立してコミュニティものとしての面白さが出ましたね。原作の数が限られているうえに、映像化がほぼ不可能なトリックもある一方、映像作品でなければできないようなトリックや、トンデモない展開のエピソードなど、ドラマならではの魅力もあります。印象は割と異なるんですけど、映像も小説もどちらも面白いなと思います。

(秋)本国イギリスでも人気で、続々と新作が作られていますね。ついにスピンオフまで登場しました。

(宮)検視ができるシスターでしたよね?

(秋)そうなんです、シスター・ボニファス(『シスター探偵ボニファス』)というキャラクターでして。

(吉)ドラマの完全オリジナルキャラクターですか?

(秋)そうですね。

(吉)僕が観た回では出ていなかったんですけど、フランボウも登場してるんですか?

(秋)出てきます出てきます!

(宮)原作とは少し違って、準レギュラーとして何度もブラウン神父の前に現れます。バディというわけではないけど、とても魅力的な関係ですね。


『ブラウン神父』
© BBC Studios 2024

(吉)原作も映像もどちらもオススメ…ということでいうと、僕はやはり『金田一耕助』シリーズですね。市川崑が手掛けた映画版を見る機会が多いかもしれませんが、連続ドラマの古谷一行版は本当に面白いですから、ぜひ原作と見比べて両方楽しんでほしいなと思います。


『金田一耕助シリーズ/古谷一行(全32話)』ミステリーチャンネルで8/17(土)朝6:30スタート
© 東阪企画 / TBS

(宮)小さいころに『金田一耕助』の映像版を観て怖いイメージがあったんですけど、そのあとに小説を読んだらそこまで怖くないな…と感じた記憶があります。その差のつけ方が映像ならではですよね。

(吉)原作に登場する殺害方法が非常にデコラティブで、映像に向いているという面があると思います。例えば、渥美清が金田一役を務めた映画版の『八つ墓村』(1977)などは明らかにホラーとして作られているとか、原作とテイストが違う映像化は多いですね。あとはやっぱり『本陣殺人事件』などは、目で楽しむ・耳で楽しむトリックなので、誰が金田一のバージョンで観ても心の「琴線」がふるえるはずです。あと『本陣殺人事件』でいうと、「ミステリーマニアの弟」が登場するのがかなり重要な鍵なんです。本格ミステリーというのはアメリカ・イギリスのカルチャーであって、戦後すぐの因習にとらわれた日本では、そんなこと誰もわかっていないわけです。そんななかド田舎の和館の大邸宅に欧米のミステリー小説の揃った書斎があって、真犯人は日本の風俗に舶来の「トリック」をアレンジして取り入れようとする。一方で、アメリカ帰りの探偵がその目論見を阻止しようとする…。そんな、登場人物による知的闘争を描く中で、「戦後の日本をどうやって西洋化するのか?」という問いかけをしようとしているわけです。

(秋)「弟がミステリーマニア」という設定はほかの作品でもよく見かけますよね。国内外問わず使われているところを見ると、便利な設定なのかもしれません。

(吉)普通の人は人を殺すときにトリックなんて考えませんからね(笑)。

【新放送ドラマの原作小説の翻訳化を…!】

Q.続いては、秋山から7月放送の新ドラマの原作小説の翻訳化をぜひご検討いただきたいというお願いなのですが…!

(秋)まずは、7月に放送される『正直すぎる捜査官ヴェルネと聖域捜査班』です。どんな大物が相手だろうとも一切忖度せずにバッサバッサと切り込んでいく元警官が主人公のドラマになります。原作は実際に警部補として活躍していたオリヴィエ・ノレックという方が執筆していて、このドラマの原作以外にも本格的な警察ものがたくさん出版されているみたいです。とにかく面白いドラマなのでぜひ小説でも読んでみたいと思っていまして…。

(宮)「全2話」となっているのは、今後シリーズとして展開していく予定ですか?

(秋)そうですね、ドラマというよりはテレビ映画として作られていて、今のところ2本作られている…という感じです。

(井)これは版権争いの予感ですね…(笑)。


『正直すぎる捜査官ヴェルネと聖域捜査班』ミステリーチャンネルオンデマンドで7/26(金)まで見逃し配信中
© Gilles Gustine / FTV / CPBFilms

(秋)ぜひお願いします…!!あと、7月放送の作品ではもう一本『パリジャン刑事デュパン~ブルターニュの事件簿』をこの場でご紹介させてください。こちらはジャン=リュック・バナレックという方の小説がもとになっています。フランス風のペンネームで、舞台もブルターニュなのですが、実はドイツの作家さんなんですね。なのでドラマ化もドイツが手掛けています。

(宮)でも、ブルターニュで撮影していると。

(秋)はい。しかも「パリジャン」という設定の主人公ですが、演じている俳優さんはスイスの方で、ドラマの中のセリフは普通にドイツ語で進んでいきます。

(井)ちょっとややこしいですね…!

(秋)わかりやすい表現をすると、「ドイツ製フレンチ・ミステリー」という感じでしょうか。

(吉)去年公開された『探偵マーロウ』(2022)も、アメリカが舞台のハードボイルド映画ですが、原作も監督も主演もアイルランド人というダブリンで撮ったアイルランド映画だったし、そういうケースは確かにありますよね。

(秋)ブルターニュにドイツの観光客が押し寄せるほどの人気になったこの小説は、その後フランスに逆輸入されそこでも大ヒットしました。ドイツの観光局のサイトには、この小説の舞台となった場所がマップで表示されていて、作品のファンたちが各地を巡るためにかなり参考にしているみたいです。「デュパン」という名前からもわかるように、いろんなミステリー作品のオマージュも豊富に仕込まれているので、日本のミステリーファンにも楽しんでいただけるのではないかと…!こんな感じで原作小説がまだ日本未上陸のドラマ作品も弊社ではたくさん放送しておりますので、ぜひ翻訳化をご検討いただければ大変うれしいです。


『パリジャン刑事デュパン~ブルターニュの事件簿(全5話)』ミステリーチャンネルで8/31(土)夕方4:00 独占日本初放送
© ARD Degeto Wolfgang Ennenbach

【ミステリーチャンネル放送ドラマについて】

Q.ミステリーチャンネルの放送ドラマについてお伺いしたいのですが、お好きな作品についてぜひ教えてください。

(宮)『フロスト警部』はうちでも長く扱ってきた作品ですので、やはり印象深いですね。主人公が非常に強烈なキャラクターですし、複数の事件が同時進行していく原作では、フロストの仕事中毒な一面が強調されています。一方ドラマでは、一つ一つの事件を深く掘り下げていたり、犯人が変わっていたり…という原作との“差”を楽しむことができると思います。原作者のウィングフィールドがドラマのエピソードを小説に逆輸入したこともあり、ドラマと原作の関わりを深く掘っていくと非常に面白いことがたくさんありますね。ドラマではフロスト警部もあまり品性を失っていないですし、小説ほどだらしなくもないのですが、押さえるべきところはしっかり押さえて映像化されていると思います。別作品として割り切って楽しむ一方で、原作との共通点を見つけるとより楽しいですね。


『クリスマスのフロスト』
著:R・D・ウィングフィールド 訳:芹澤恵
出版社:東京創元社

(宮)あとは『シャーロック・ホームズの冒険』は本当にドラマとして素晴らしいということは言うまでもないのですが、ヴィクトリア朝の風俗を見事にビジュアル化している点も非常に素晴らしいと思いますね。小説を読んでいて、馬車の外見やロンドンの街並みがうまくイメージできない…というときにはこのドラマを観てもらえれば一発で理解できますから。ホームズがいまだに大人気なのは、原作の力はもちろんのこと、このすごくよくできた映像作品があることによって相乗効果が生まれ、熱心なファンを中心に、どんな設定のホームズが来ても受け入れることができる柔軟な世界が完成されているからなのかな、と思いますね。あとは『フロスト警部』とも共通する点ですが、個性的な名探偵が毎回登場して事件を解決していく…という基本設定がしっかりできているため、「どこから観てもいい」という敷居の低さも魅力ではないでしょうか。

(秋)この『シャーロック・ホームズの冒険』はわが社にとっても、この作品がなければ、「ミステリー専門チャンネル」とはとても名乗れないと感じるほどに非常に大切な作品ですね。


『シャーロック・ホームズの冒険』
© ITV PLC

(吉)『シャーロック・ホームズの冒険』は僕はなんといっても「六つのナポレオン」のなぜか異常興奮しっぱなしのホームズを推します!あとは、『奇術探偵ジョナサン・クリーク』でしょうか。珍無類のぶっとんだトリックを見事に映像化していて、さながら「現代のディクスン・カーのようだ!」と驚きました。存在を知ってはいたけど放送された当時リアルタイムで見ることができなかった作品としては、『火曜日の女シリーズ』。その中でも、横溝正史の原作でありながら金田一耕助が登場しない形で翻案された「蒼いけものたち」と「いとこ同志」はミステリーチャンネルさんの放送でようやく観ることができました。他の作品は予備知識ゼロで観ましたが、どれもとても面白かったです。岸田森にいじめ抜かれる星由里子がもうたまらない(笑)。

(秋)『火曜日の女シリーズ』は非常に昔の作品なので、探すのがとても大変でした。多くの映像技術者の方々の手によって映像の傷を一つひとつ消して放送に臨んだという苦労もありますので、こうして感想をいただけてとても嬉しいですね。

(吉)あと弊社に深い縁のある作品でいうと、『刑事コロンボ』は外せませんね。原作者のリチャード・レヴィンソンとウィリアム・リンクはデビュー当時は小説を書いていて、初期のころに執筆したものを弊社で二冊短編集として出版しています。その中の一本は、『刑事コロンボ』の第一話にあたる「殺人処方箋」の原案にあたる短編小説ですので、コロンボファンの方にはぜひ小説の方も手に取っていただければと思います。


『刑事コロンボ』
© 1971 Universal City Studios LLLP. All Rights Reserved. © 1988 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.


『レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕』
著:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク 訳:浅倉久志 他
『レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落』
著:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク 訳:後藤安彦 他
出版社:扶桑社

(井)私は『フランス絶景ミステリー コレクション』ですね。特にお気に入りのエピソードは「ロカマドゥール」です。巡礼地として有名な中世の町を舞台に、礼拝堂へと続く石段を膝立ちで登らされるという贖罪巡礼になぞらえて殺人が起きる…という、つかみがバッチリのスタートで始まります。おまけに殺された男の幼い娘が誘拐されていたことが判明し、二つの事件の関係性を二人の刑事が解き明かしていくストーリーです。

(秋)だいたい土地にまつわる伝承が登場しますね。各地の観光名所をアピールすることを目的に、さまざまな制作会社が制作している作品です。過去81本放送していますけど、フランスではすでに100本以上制作されていて、「次はいつ買ってくれるんだ」とむこうからよく連絡が来ますね(笑)。

(宮)舞台となっている土地で選ぶ楽しさもあるし、事件の内容で選ぶ楽しさもあるということですか。

(秋)8月から毎週日曜日に放送されますので…!本作を観ていただくと、フランス全土を旅できるようにもなっています。これだけの数の観光地と長い歴史を誇るフランスならではの作品ですね。

(井)『フランス絶景ミステリー コレクション』を観ている人はたくさんいるんですけど、「このトリックがすごい」と言っているのがSNS上で私しかいなかったのがすごい悲しかったので…(笑)。脚本や映像のクオリティも非常に高く、本当に「当たり」が多い作品だと思います。


『フランス絶景ミステリー コレクション』(新エピソードを含む全42話)ミステリーチャンネルで8/11(日)スタート 毎週日曜夕方4:00
© Jean-Philippe BALTEL / EGO PRODUCTIONS / FTV

(秋)あとは『刑事フォイル』もお好きだと伺っておりますが…。

(井)そうですね、『刑事フォイル』も大好きな作品です。戦間期から戦後までを舞台にした作品なんですが、戦争中にもかかわらず一つの殺人事件を追いかけ続ける意味、というテーマを説教臭くなく丁寧に描いているんです。「50隻の軍艦」(シーズン2第1話)などは名作中の名作ですが、一人の刑事の人生を通して戦争というものを描いている本作は、ドラマや小説という垣根を越えて、ミステリーのジャンルの一つとして確立されていると思います。

(秋)これはもう十年以上前の作品で、当時はまだホロヴィッツさんがあまり知られていない時代でした。そのため社内でも放送に対して反対意見があがったのですが、そのままごり押しした…という経緯が。すでに完結しているシリーズではありますが、その後ホロヴィッツさんの人気が日本でも高まったおかげで再び注目が集まった作品でもあります。

(吉)ホロヴィッツさんという人物が、そもそも『名探偵ポワロ』シリーズで長く脚本に携わったことでクリスティー作品のノウハウを受け継ぎ、そのうえでオリジナル作品として『刑事フォイル』を手掛け、語り部としての才能に磨きをかけたのちに満を持して作家として『カササギ殺人事件』を出版する…という流れを持つ方ですからね。50年代から70年代にかけては「作家=脚本家」の時代があって、短編小説というものがとにかくテレビの原作として重宝された時代でもありました。そうした流れを汲む存在として、ドラマの世界で鍛えられた大作家の原点である『刑事フォイル』は、まさにこの「ドラマ×小説」企画にピッタリの作品ではないでしょうか。

(井)『名探偵ポワロ』や『刑事コロンボ』、『シャーロック・ホームズの冒険』に肩を並べる、後世にずっと語り継がれる「マスターピース」のような立ち位置にいる作品だと思います。


『刑事フォイル』ミステリーチャンネルで毎週木曜夕方4:00より放送中
© Greenlit Productions Ltd

Q.今後のミステリーチャンネルの放送作品で気になる作品があれば教えてください。

(宮)7月以降というと、とにかく8月からの『フランス絶景ミステリー コレクション』を見逃さないようにするのが最重要じゃないかと思いますが。

(秋)ありがとうございます(笑)!

(井)あとは『パリ警視庁1900』とかも気になります。

(秋)こちらは1899年のフランスが舞台で、フランス大統領が突然死亡したことで激動の時代を迎えるパリで、死の現場に居合わせた大統領の愛人と、パリ警視庁の捜査官たちとがそれぞれのやり方で真相を求めていくストーリーです。かなり史実を織り交ぜたオリジナルドラマで、アメリカでも大人気の作品なんです。


『パリ警視庁1900(全8話)』ミステリーチャンネルで8/27(火)スタート 毎週火曜 夜8:00

(吉)今放送している犬のドラマはもう終わっちゃうんですか?

(秋)『レックス~ウィーン警察シェパード犬刑事~』ですね!今年で30周年を迎えたシリーズで、今アクションチャンネルの方で新シリーズであるイタリア版『マルコ&レックス~ローマ警察シェパード犬刑事』と、カナダ版『ハドソン&レックス~セントジョンズ警察シェパード犬刑事』を放送しています。

(宮)うちの編集部の犬好きが愛してやまない作品ですね。ハマったものの当時まだ日本で放送していなかったので、オーストリア版のソフトを買いそろえていました。

(秋)えーすごい!

(宮)レックスがとにかく賢いんですよね。

(秋)そうなんです、本当にわんちゃんが演技をしているんです。500のコマンドを理解できるそうで、カンヌにまで出張に来てくれるんですよ。そういう系統の作品も扱っていますね。

(吉)今は、動物のお医者さんが出てくるドラマもありますよね?

(秋)『獣医ヤコブスの事件簿』ですね!あれは比較的最近ミステリーチャンネルで放送した作品で、ドイツで高視聴率を記録したドラマなんです。個人的には「フランスの次はドイツかな」と思っていて、質実剛健なミステリーの宝庫であるドイツの作品も注目しています。


『獣医ヤコブスの事件簿(全6話)』ミステリーチャンネルで8/7(水)スタート 毎週水曜 夜8:00
© NDR / Aspekt Telefilm

(吉)ミステリーチャンネルさんはヨーロッパを中心に作品を展開しているところが、独自性があっていいですよね。

(秋)ありがとうございます・・・!

(吉)やっぱりどうしてもアメリカ、次いでイギリスが中心になりがちなところで、フランスやドイツをはじめとする世界各国の映像作品をこれだけ見ることができる場所はほかにはないでしょう。

(秋)おそらく日本で一番、ヨーロッパの変わったドラマを放送している局だと思います(笑)。

【今後のミステリーチャンネルに期待したいこと】

Q.最後に、ミステリーチャンネルに期待することはありますか?

(吉)ファンとしては、せっかくだから昔の作品をたくさん観たいですね。画質は悪くてもいいので。特に、僕が子供のころにたくさん放送していた『トワイライト・ゾーン』や『鬼警部アイアンサイド』のような古い作品が観られると嬉しいなぁ、と。あとは、本国で作ってくれないとそもそも観ることが叶わないんですが、ディクスン・カー作品の映像化が観られるとシビれると思うので、先方との交渉の際にぜひ…(笑)。

(秋)そうですね。話す機会はあると思うので、その折にはぶつけてみます…!ところで吉田さまは『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』をご覧になっていると伺ったのですが、観始めるきっかけはなんでしたか?

(吉)テレビをつけていたらたまたまやっていたのがきっかけだったと思いますが、最近ああいったタイプの主人公像が流行っていますよね。日本や韓国でも近いキャラクターのドラマはありましたけど、フランスでもやっているんだなぁ、という印象でした。謎解きとかは普通に面白かったので、よくできたドラマだと思って観ています。

(秋)最近ついに、うちの不動の一位だった『名探偵ポワロ』『ヴェラ~信念の女警部』を抜いて、人気一位となりました。フランスの時代がきたな、という感じです。井戸本さまはなにかご要望はありませんか?

(井)私としては、『フランス絶景ミステリー コレクション』をずっと続けていただければそれだけでありがたいです。

(秋)大丈夫です!「途切れることはない」というのは、本国の担当者が言っていたことなので…!

(井)フランス以外にも、いろんな国の観光地を楽しめる作品が増えるといいですね。映像が綺麗だと嬉しいですから。

(秋)宮澤さまは弊社へのご希望はなにかありますか?

(宮)そうですね…歴史ものが好きなので、歴史考証がしっかりとした連続ドラマは観てみたいですね。やはりその国の人たちで作り上げるほうが考証がしっかりしていますから。うちでいうと、『修道女フィデルマ』のシリーズなどはぜひ映像で見てみたいのですが、なにせ舞台が7世紀のアイルランドという歴史考証が大変な作品ですので…。著者がその分野を専門とする学者であり、人気も高いシリーズなので、そういう系統のドラマがあったらおもしろそうだな、と思います。でも『名探偵ポワロ』や『刑事コロンボ』のような手堅い作品を扱っていただければ、と。ふとしたタイミングで見るとやっぱり面白いですしね。

【最後に】

国内外のミステリー作品に深く関わるお三方を招いての、ミステリードラマ座談会はいかがだったでしょうか?小説のプロフェッショナルならではの視点で語られるドラマの魅力。映像と文章、それぞれの良さを改めて認識することができる貴重な機会でしたね。今回の座談会も多いに盛り上がりました!ドラマ、小説に関わらず、気になるミステリー作品をどんどんチェックして、皆さまのミステリー愛をさらに深めていただくきっかけになれたらうれしいです。第5回は以上になります。第6回もお楽しみに!

(文:うりまる)

特集「もっと楽しむミステリー!」次回は、Vol.6【出版社3社×ミステリーチャンネル座談会】にてミステリーの最前線に迫るトーク内容をお届けする予定です!8月公開予定ですので、次回もどうぞお楽しみに!

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ミステリーチャンネルについて

世界各国の上質なドラマをお届けする日本唯一のミステリー専門チャンネル。「名探偵ポワロ」「ミス・マープル」「シャーロック・ホームズの冒険」「ヴェラ~信念の女警部~」「SHERLOCK シャーロック」など英国の本格ミステリーをはじめ、「アストリッドとラファエル文書係の事件録」などのヨーロッパの話題作や「刑事コロンボ」といった名作、人気小説が原作の日本のミステリーまで、選りすぐりのドラマが集結!ここでしか見られない独占放送の最新作も続々オンエア!

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0570-002-316

(一部IP電話等 03-4334-7627)

受付時間 10:00 - 20:00(年中無休)

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アガサ・クリスティー ミス・マープル

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古谷一行主演、TBSで長期にわたり放送された大ヒット作!

正直すぎる捜査官ヴェルネと聖域捜査班

正直すぎる捜査官ヴェルネと聖域捜査班

嘘がつけない正直者で自分の信念に固執したがために警察をクビになった元刑事ヴェルネが、金と権力で法の網をかいくぐる“聖域”に裁きを下す!政治家や大企業の社長など各界の超大物たちが関わる繊細な事件に、ヴェルネ率いる聖域捜査班が真実を解き明かしていく。 フランスでは、同日のプライムタイムにおいて競合を抜き、視聴率トップを獲得した(※)大ヒットの最新クライムミステリー! (※)Médiamétrie調べ

パリジャン刑事デュパン~ブルターニュの事件簿

パリジャン刑事デュパン~ブルターニュの事件簿

大都会パリからブルターニュの田舎町にやってきた、魚アレルギーで海が苦手な殺人課の刑事デュパンが、類まれなる捜査スキルで難事件を解決!ブルターニュに魅せられたドイツ人作家による人気小説が原作で、フランスを舞台に、ドイツ語を話すキャストによってドイツ人のために作られた異色のドラマである。本作はドイツで2014年からスタートし、2024年に放送されたエピソードでは約600万人以上の視聴者数を獲得。シリーズが進むごとに人気が高まり、2025年には最新作も決定したドイツの国民的人気シリーズでもある。その後、フランスでも放送され、驚異的視聴者数を獲得した、独仏の両国で人気を博す驚くべき作品だ。

シャーロック・ホームズの冒険

シャーロック・ホームズの冒険

“真のホームズ”と絶賛されたジェレミー・ブレット主演の英国グラナダ版

刑事コロンボ

刑事コロンボ

「ウチのカミさんがね…」の台詞で有名な刑事コロンボ!名優ピーター・フォーク主演、世界中で愛され続ける傑作刑事ドラマ。

フランス絶景ミステリー コレクション

フランス絶景ミステリー コレクション

フランスの景勝地を舞台に描かれたミステリー・ドラマシリーズの新エピソードが登場!

刑事フォイル

刑事フォイル

「名探偵ポワロ」「バーナビー警部」の脚本を担当した、アンソニー・ホロヴィッツが創り上げた、英ITVの大ヒットテレビシリーズ。

パリ警視庁1900

パリ警視庁1900

1899年のパリ。時のフランス大統領が突然死亡し、フランス共和政が大きな危機に直面した激動の時代を舞台に、後の近代フランス警察の創始者として知られるルイ・レピーヌ率いるパリ警視庁の刑事たちと、大統領が突然死した時に密会をしていた愛人の活躍を描く!史実とフィクションが織り交ざったストーリー展開とそのクオリティーの高さに、本国のみならず英米でも評価され、ニューヨーク・タイムズ紙では2022年の見るべき最高のテレビ番組の1つにも選ばれ話題となったドラマシリーズ!

獣医ヤコブスの事件簿

獣医ヤコブスの事件簿

2014年からドイツで放送され、800万人以上の視聴者数を獲得し、現在も続いている大人気クライムドラマシリーズ!海沿いの静かな村にやってきた人間嫌いの元警察官の獣医ヤコブスが、村で起こる不可解な事件に次々と巻き込まれる…!

うりまる
2017年ごろから海外ドラマ・映画について執筆中。ミステリー作品ならなんでも好きですが、特にまったりとした(COZYな)ミステリーが好きです。