2023/07/03

【ミステリー作品の新規開拓に!】『シェパード警部 ブロークンウッドの事件簿』

ニュージーランド発の本格現代ミステリーが初登場!小さな街ブロークンウッドを舞台に、旧車とカントリーミュージックを愛するシェパード警部が難事件に挑む『シェパード警部 ブロークンウッドの事件簿』の魅力をご紹介します。「噛み応えはほしいけど、あまり癖の強くないものがいいのよね」というグルメなミステリーファンにオススメのドラマです!

【ニュージーランドで長く愛される本格ミステリー】

日本のミステリーファンの中には、このドラマのことをはじめて聞いた!という方も多いのではないでしょうか?
せっかくなので、どんなドラマなのかを簡単にご紹介します。
本作は2014年からニュージーランドでの放送がスタートし、その後は、アメリカ、オーストラリア、フランス、シンガポール、カナダなど世界各国で展開されました。2023年現在、シーズン9の放送がスタートしている人気シリーズなのです。
2022年には、アメリカ推理作家クラブが授与する栄誉ある「エドガー賞」のTV エピソード部門へのノミネートも果たしており、ミステリー作品としてのクオリティも高く評価されております!ちなみに、2023年に同賞を獲得したのは、アンソニー・ホロヴィッツ氏原作のドラマ『カササギ殺人事件』でした(スゴイ!)。

【シェパード警部のキャラクターがあまりにも濃い】

本作の魅力はなんといっても、主人公のシェパード警部のキャラクターが良すぎる点です。登場からして個性が強めな彼は、1971年式の旧車に自作のカセットテープを流しながら事件現場へとやってきます。「被害者の8割が加害者を知っている」という独自の理論に基づいて、犯罪現場の遺体と会話をすることも。事件の関係者とは対話を重ねて情報を引き出す昔ながらの捜査方法を好み、着実に証拠を集めていきます。もともとは都会の警察署から捜査協力に来たのですが、その事件が解決した後もブロークンウッドに残ることにしました。実はこう見えて都会の犯罪捜査課に所属するエリート刑事なのです。

そんな彼の相棒となったのは、地元警察の刑事クリスティン。はじめのうちは、雑用ばかりまかせてどこかへ消えてしまうシェパード警部の協調性のなさに思わず閉口していた彼女ですが、次第に打ち解けていきます。

1987年生まれの彼女との間には世代以外にもギャップだらけなシェパード警部がどのようなコンビネーションを見せていくのか?また、刑事としての経験が浅いことも相まって、  ついついカリカリしてしまうクリスティンにも余裕の対応を見せるシェパード警部。それもそのはず。なんと彼は4回(!)の離婚歴を持っています。ありとあらゆる女性の怒りを見てきた男は面構えが違うということですね。知れば知るほど謎と魅力が深まる主人公なのです。そんな、師弟関係よりももっと砕けた感じの二人組が織りなす凸凹具合も見どころの一つです。

【ニュージーランドの持つ牧歌的な美しさも魅力】

第一話「しし座流星群の夜」では、とある農場主が溺死体で発見される事件が発生するところから物語が始まります。ニュージーランドといえば、第一次産業がさかんな国として知られていますね。ドラマの中でも、一面のブドウ畑や広大な農地など、自然豊かで広々としたニュージーランドの風景が楽しめます。木々の間をまっすぐに伸びる道路をシェパード警部の旧車が走るシーンは必見です。粋なカントリーミュージックまでバックに流れますよ。ブロークンウッドが田舎町という設定なので、大都会らしい場所はドラマの中にはあまり登場しませんが、のびのびとした光景に心が癒されるひと時もあると思います。
まあ、殺人事件が起きているのでほのぼのしている場合ではないのですが。それはそれ。

【歯ごたえのあるミステリーを求める方におすすめ】

ミステリー大好き人間の総評としては、本作は全体的に非常にバランスの良い作品だと思いました。
やや野暮ったく、飄々としていて、旧車とカントリーミュージック好き、実は優秀なエリート刑事、というミステリー作品の主人公として輝ける属性てんこ盛りという感じのシェパード警部なので、本国でこのドラマが人気になるのも分かるな、という感じでした。しかもおじさんですからね。おじさんの主人公はミステリーにおいては基本的に最強です(諸説あり)。
シェパード警部の安定感が半端ないのですが、他のキャラクター達もかなり良い味だしています。

ではミステリー作品として大切な謎解き部分はどうなのか、という点なのですが。
これまた非常に噛み応えのあるストーリーとなっています。基本的に一話完結型ですし、舞台は小さな街なのですが、エピソード毎にフォーカスされる場所が異なるため、そこまで狭いコミュニティでの刑事もの…という感じはしないと思います。犯人を特定するまでの道筋もなかなかつかみにくく、「怪しい人に目星はつくものの、決定打に欠けるんだよな…」という感じが楽しい!毎度しっかり頭をひねることになりました。一話が約一時間半なのですが、あっという間です。ほんとに。
「今私はミステリードラマを見たいのよ!」というすべての方に、何もためらわずにオススメできる作品でした。
気になる方はぜひチェックしてみてください!

 

[文:瀧脇まる(うりまる)]

 

【放送情報】

シェパード警部 ブロークンウッドの事件簿(シーズン1~3・全12話)
◆シーズン1先行一挙放送
字幕版: 7月16日(日)夕方4:00
◆シーズン1~3レギュラー放送
字幕版: 7月24日(月)スタート 毎週月曜夕方4:00
AXNミステリー独占日本初放送!

【加入月0円!簡単視聴!】
英国をはじめ、世界中の選りすぐりのドラマを放送!
AXNミステリーだけでしか見られない独占放送作品も毎月続々OA!
さらに!見逃した作品はオンデマンドでも視聴できます!
WEBで簡単申込み可能!(24時間受付中)
詳しくは↓をクリック!

 

画像クレジット:© South Pacific Pictures & All3Media International