2024/10/15

初心者にもおすすめ!読みやすさが魅力のコージーミステリー小説 おすすめ21選

コージーミステリー小説の魅力

日常的な場面での謎を扱うコージーミステリー。ミステリー小説でおなじみのいわゆる“探偵”は登場せず、探偵を職業としていない“素人”が探偵役を担い、謎を解き、事件を解決していきます。喫茶店が舞台なら、喫茶店の店主やお客さん、学校が舞台なら生徒や先生など、「私でも解けるかも!」と思える親近感も魅力です。殺人事件や残忍な事件はあまり発生せず、身近な謎に挑む物語が多め。ミステリー小説初心者にはもちろん、難解なミステリーの箸休め的な存在として楽しむのがおすすめです。ほっこりする書影も多く、ついつい手にしたくなる本が多いのもコージーミステリーの特長です。

コージーミステリー小説おすすめ21選

<国内編>

『配達あかずきん』

大崎梢(著)
出版社(レーベル):東京創元社

しっかり者の杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵が働くのは、駅ビルの六階にあるごくごく普通の書店・成風堂。近所に住む老人から渡された「いいよさんわん」という謎の探求書リストや、コミック『あさきゆめみし』を購入後失踪した母を捜しに来た女性に、配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真。杏子と多絵のコンビが、成風堂を舞台にさまざまな謎に取り組んでいく――。

元書店員ならではの鋭くもあたたかい目線で描かれた、初の本格書店ミステリー〈成風堂シリーズ〉第一弾。本屋さんが舞台のミステリー小説を読むと、次から書店に行くワクワク感も倍増。本屋さんの店員さんとちょっと喋ってみたくなる、そんな気持ちにさせてくれるほんわかミステリーです。

『万能鑑定士Qの事件簿 I』

松岡圭祐(著)
出版社(レーベル):KADOKAWA/角川文庫

東京都内全域に貼られている不可解な“力士シール”の謎を追い出逢った万能鑑定士・凜田莉子と週刊誌記者・小笠原悠斗。真相を解明すべく奔走する二人は日本全土を震撼させる大事件へと巻き込まれていくことになる。

親近感が湧いてくるのは、主人公の莉子が、かつては天然キャラで劣等生であったということ。キレッキレの探偵でなくても謎解きにチャレンジしていい!そんな気持ちにさせてくれるキャラクターです。謎を解くのに必要なことは人間の観察力、知識の重要性、そして、視野の広さということを教えてくれます。長く続くシリーズものなので莉子の成長を見守るのもたまらなく面白いです。

『ハルさん』

藤野恵美(著)
出版社(レーベル):東京創元社

ふうちゃんの結婚式の日、お父さんのハルさんは思い出す、娘の成長を柔らかく彩った5つの謎を。幼稚園児のふうちゃんが遭遇した卵焼き消失事件、小学生のふうちゃんが起こした意外な騒動……。心底困り果てたハルさんのためにいつも謎を解き明かしてくれるのは、天国にいる奥さんの瑠璃子さんだった。

頼りない人形作家の父と、日々成長する娘の姿を優しく綴ったほのぼのミステリー。少し頼りなくて不器用だけど温かくふうちゃんを見守るハルさんのキャラクターにほっこりし、泣かされます。この作品は、素直な心で読むのがポイントです。ほのぼのミステリーで心をほんわか温かくしたい、そんなときに、ぜひ。

『腕貫探偵』

西澤保彦(著)
出版社(レーベル):実業之日本社文庫

大学に、病院に、警察署に……突如現れる「市民サーヴィス課臨時出張所」。そこに座る年齢不詳の奇妙な男に、悩める市民たちはついつい相談を持ちかけてしまう。隣人の遺体が移動した?幸せ絶頂の母がなぜ突然鬱に?二股がバレた恋人との復縁はあり?

小さな謎も大きな謎も、冷静かつ鋭い洞察力で腕貫男がさらりと解明するユーモアたっぷりに描く連作ミステリー短編7編を収録。探偵役となる公務員の腕貫さんは、いわゆる安楽椅子探偵です。謎解きのワンポイントアドバイスを提供するだけで、あとは淡々と公務員としてのお仕事をするという流れ。ミステリー要素を含みつつ、人間関係のトラブルなど日常に溢れる些細なものを題材にしているので読みやすい。即座に的確なアドバイスで事件は解決。スッキリ感も味わえます。

『青空の卵』

坂木司(著)
出版社(レーベル):東京創元社

外資系の保険会社に勤める僕・坂木司には、一風変わった親友がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。彼は、複雑な生い立ちの鳥井は外部との接触を極力避け、僕を通じて世界を見ている。そんな鳥井の関心を外の世界に向けるため、彼との食卓に僕が出会った身近な謎を披露していく。

著者デビュー作にして人気の<ひきこもり探偵>シリーズ第1弾。とても爽やかで青春小説の香りも漂います。日常の謎解きミステリーを展開しながら坂木&鳥井の二人の繋がりを確かめ合っていくような一冊。どこか歪みを感じる二人の友情。この感覚は、シリーズを読み進めることで解決できる謎のひとつかもしれません。

『真夜中のパン屋さんー午前0時のレシピー』

大沼紀子(著)
出版社(レーベル):ポプラ社

謎多き笑顔のオーナー・暮林と、口の悪いイケメンパン職人・弘基が働くこの店には、パンの香りに誘われて、なぜか珍客ばかりが訪れる……。夜の街を徘徊する小学生、ひきこもりの脚本家など夜な夜な都会のはぐれ者たちが集まり、次々と困った事件を巻き起こすのだった。

舞台は都会の片隅に、真夜中にだけオープンする不思議なパン屋さん。心地良い居場所を見つける物語が展開します。おいしそうなパンの香りと、イケメンのいるパン屋さんなのに、この店にやってくるのは濃ゆい人ばかり(笑)。キャラクターの魅力に引き込まれ、シリーズを読み進めたくなります。

『退出ゲーム』

初野晴(著)
出版社(レーベル):KADOKAWA/角川文庫

穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみのホルン奏者。音楽教師・草壁先生の指導のもと、吹奏楽の“甲子園”普門館を夢見る2人に、難題がふりかかる。化学部から盗まれた劇薬の行方、六面全部が白いルービックキューブの謎、演劇部との即興劇対決が展開!

チカとハルタ、2人の推理が冴える、青春ミステリの決定版、“ハルチカ”シリーズの第1弾です。学園系コージーミステリーで、さらりと読み進められてクスッと笑えるポイントが多いのが特長。チカ&ハルタのキャラクターも魅力的です。読みやすいのですが、意外と謎解きパートは重め。そのギャップもこのシリーズのおすすめポイント!

『タルト・タタンの夢』

近藤史恵(著)
出版社(レーベル):東京創元社

カウンター七席、テーブル五つ。下町の片隅にある小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟は、フランスの田舎のオーベルジュやレストランを転々として修業してきた変人。無精髭を生やし、髪を後ろで束ねた無口なシェフの料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。

絶品料理の数々と極上のミステリーが楽しめます。ほっこりとする、そして、空腹時に読むのは危険な一冊。<ビストロ・パ・マル>シリーズとして人気の第一作で、よき雰囲気のビストロでワイン片手に読むのもおすすめ。一話完結の短編なので、サクッと読めるのも魅力です。些細なことも見逃さないシェフと、優しい人々が織りなす物語を召し上がれ。

『珈琲店タレーランの事件簿』

岡崎琢磨(著)
出版社(レーベル):宝島社文庫

女性バリスタの趣味は、謎解き!理想の珈琲を追い求める青年が、京都の一角にある珈琲店「タレーラン」で、のっぴきならない状況に巻き込まれて……。

京都にある珈琲店「タレーラン」を舞台に、魅惑的な女性バリスタが解き明かす日常の謎の数々が楽しめます。登場人物の名前がコーヒーの産地や豆の種類を思わせるので、コーヒー好きの方にもおすすめです。このシリーズならでは?!のちょっと特徴のある文章と会話が展開するので、慣れるためにもシリーズを読み進めるのがおすすめです。コーヒーのうんちくも学べます。

『ビブリア古書堂の事件簿 ~栞子さんと奇妙な客人たち~』

三上延(著)
出版社(レーベル):メディアワークス文庫

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない、若くきれいな女性だ。彼女は、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。しかし、古書の知識は並大抵ではない。人に対してとは真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく――。

栞子と奇妙な客人が織りなす、“古書と秘密”の物語です。栞子はいわゆる安楽椅子探偵です。静かに謎を解き明かしていく空気感も魅力。全体的に漂うコミカルな雰囲気もまさにコージーです。本に関する知識が増えていく楽しみも味わえます。

<海外編>

『犯罪は老人のたしなみ』

カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ(著) 木村由利子(訳)
出版社(レーベル):東京創元社

オーナーが替わって以来、ダイヤモンドホームはすっかり変わってしまった。コーヒーは自動販売機、食事は冷凍食品ばかりで、外出も厳しく制限される。こんな老後を過ごすはずではなかった。ならば自分たちの手で変えてみせるとばかり、79歳のメッタは4人のコーラス仲間とともに、老人だけの犯罪組織を結成。誰も傷つけず大金を手に入れようというのだ。老人という立場を隠れ蓑に、犯罪者にあるまじきスローペースとアナログな手段を駆使する老人たち。果たして、その結末は?

入居している老人ホームに不満のある老人たちは「刑務所の方がマシ!」と犯罪を犯して刑務所に入ろうと企てます。タイプの違う老人5人はなかなかまとまりもなく(笑)、ドタバタというよりモタモタと犯罪劇を繰り広げていきます。老人たちのパワーとユーモアに元気をもらえる一冊です。

『ビール職人の醸造と推理』

エリー・アレグザンダー(著) 越智睦(訳)
出版社(レーベル):東京創元社

アメリカ北西部のレブンワースは、ドイツのバイエルン地方に似た風景が広がる、ビールで有名な小さな町。町で一番のブルワリーを夫とその両親と一緒に切り盛りするわたしは、幸せな日々を過ごしていた――、夫の浮気が発覚するまでは。わたしは家から夫を追い出し、町に新しくオープンするブルワリーで働くことにした。フルーティーながらもすっきりした後味のビールや、腕によりをかけたわたしの料理がうけて、開店初日は大成功!しかし翌朝、店で死体を発見して――。

愉快でおいしいビール・ミステリーシリーズの第一作。ビールの醸造やビールの町の雰囲気をじっくりと堪能できます。ビールはもちろん、食べ物もとてもおいしそう。毎日を忙しく過ごすビール職人は、じっくり推理する暇もなし。そんな理由で推理もかなり軽いものが多く読みやすいので、コージー・ミステリー、そしてミステリー初心者におすすめです。

『ガイコツと探偵をする方法』

レイ・ペリー(著) 木下淳子(訳)
出版社(レーベル):東京創元社

故郷の大学に非常勤講師の職を得て、高校生の娘を連れ実家へ戻ってきたジョージアは、親友のシド(世にも不思議な、歩いて喋るガイコツ)と再会した。人間だったときの記憶のない彼が、見覚えのある人物と遭遇したのをきっかけに、ふたりはシドが生前は何者だったのかを調べはじめる。だが、その過程で忍びこんだ家で死体を発見、殺人事件の謎まで背負いこむことに……。

たっぷり笑えてちょっぴり泣ける、ミステリ新シリーズが開幕です。まるで会話を楽しむようにテンポよく読み進められるのもポイント。シドは一体何者なのか。歩いて喋るガイコツなので人前はもちろん、外に出ることも難しい。そんななかで二人は捜査を続けていきます。ユーモア溢れるシドがとても魅力的!

『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』

C・A・ラーマー(著) 高橋恭美子(訳)
出版社(レーベル):東京創元社

ミステリーが大好き、クリスティが大好きなアリシアとリネットの姉妹が出した読書会──ブッククラブのメンバー募集の告知に応えてきたのは、古着ショップの女性オーナー、毒薬ミステリ好きの医師、平凡な主婦、図書館員の女性に博物館勤務のゲイの男性といった面々。はじまりは順調だったが、二回目の読書会で早くもトラブルが発生して……。

主催者はミステリーが大好きで、クリスティが大好きとなると、ちょっと難しい展開もあり?!と思いきや、メンバーの会話がとても軽やかなので、気軽に読み進められます。ミステリー好きはもちろん、ミステリー初心者も名前は聞いたことあるというP.D.ジェイムズや、アン・クリーヴスの名前がちらつくのもよき。

『自由研究には向かない殺人』

ホリー・ジャクソン(著) 服部京子(訳)
出版社(レーベル):東京創元社

高校生のピップは自由研究で、5年前に自分の住む町で起きた17歳の少女の失踪事件を調べている。交際相手の少年が彼女を殺害し、自殺したとされていた。その少年と親しかったピップは、彼が犯人だとは信じられず、無実を証明するために、自由研究を口実に警察や新聞記者、関係者たちにインタビューをはじめる。ところが、身近な人物が次々と容疑者として浮かんでくる――。

主人公のまっすぐさで好奇心に溢れるキャラクター性に引き込まれます。自由研究で失踪事件を取り上げるという設定自体はコージーな雰囲気は漂いませんが(笑)、ここでの自由研究とはEPQ(Extended Project Qualification)という高校の卒業研究といった内容のよう。推理小説としては王道的なものが描かれているので、しっかりミステリーがありつつも、読みやすさを感じる一冊です。

『木曜殺人クラブ』

リチャード・オスマン(著) 羽田詩津子(訳)
出版社(レーベル):早川書房

未解決事件の調査をして暇をつぶす老人グループ〈木曜殺人クラブ〉。入居する施設の関係者が殺されたのをきっかけに、彼らは真相究明に乗り出すことに――。

英国で異例の速度で100万部突破のフーダニット。作者の新人離れした完成度を誇るユーモラスな謎解きミステリーとして人気です。警察の未解決事件に取り組む老人たちは、元警部、元獣医、元精神科医など、かつて専門職に就いていただけあって、なかなかの推理を展開していきます。老人たちの推理に刺激を受け、パワーももらえます。

『家政婦は名探偵』

エミリー・ブライトウェル(著) 田辺千幸(訳)
出版社(レーベル):東京創元社

ウィザースプーン警部補は医師の死体を前に困り果てていた。名刑事として認められつつある彼だが、無類の好人物ではあるものの、実は捜査の才能は皆無なのだ。警部補の立てた手柄はすべて、屋敷を取り仕切る家政婦ジェフリーズ夫人が先に真相を解明したうえで行う、さりげない誘導のたまものだった。

ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にした、明るく楽しいミステリ・シリーズの第一弾。人柄の良い警部補を心優しい使用人たちが助けて事件を解決するというほのぼのミステリー。登場人物が持ち合わせている“善意”が物語全般に漂っているので安心して楽しめます。主人公は警部補ということもあり、コージー・ミステリーには珍しく、殺人事件を扱っていますが、使用人たちが見事な探偵の腕を発揮し、華麗に事件を解決。読後感もスッキリです。

『サスペンス作家が人をうまく殺すには』

エル・コシマノ(著) 辻早苗(訳)
出版社(レーベル):東京創元社

売れない作家フィンレイの朝は、爆発状態だ。大騒ぎする幼い子どもたち、請求書の山、撒き散らされたコーヒーの粉。もう、だれでもいいから人を殺したい気分。とはいえ、本当に殺人の依頼が舞い込むとは、予想もしなかった。レストランで執筆中の小説の打ち合わせをしていたフィンレイは、隣席の女性から男の名前と5万ドルと書かれたメモを渡される。話の内容とマザーバッグのなかの血のついたタオルと包丁のせいで、殺し屋と勘違いされたらしい。依頼を断ろうとするが、本物の死体に遭遇して……。

予想外の展開と読みやすさで一気読み必至。ひょんなことから事件に巻き込まれていく主人公フィンレイの行動にハラハラさせられる場面が割と多く登場しますが、ちょっとドジなところも愛らしい。ラブロマンス要素もあって、ドタバタに巻き込まれる中で、一休みできるのもGOOD。

『エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人』

S・J・ベネット(著) 芹沢恵(訳)
出版社(レーベル):KADOKAWA/角川文庫

ウィンザー城で若い男の遺体がクロゼットから発見される。晩餐会に呼ばれたロシア人ピアニストで、遺体はあられもない姿だった。事件について城では箝口令が敷かれ、警察とMI5はロシアのスパイによるものと見なし捜査するが、容疑者が50名もいて難航する。でも大丈夫。城には秘密の名探偵がいるのだ。その名もエリザベス2世。御年90歳。世界最高齢の女王が華麗に事件を解決する!

容疑者はなんと50名という奇怪なピアニスト殺人事件に挑むのは、90歳の英国女王。この設定だけでかなりテンションが上がります。名探偵の女王陛下が、自身の関与を悟らせずに手柄をすべて譲るというのもなんだかオシャレ。エリザベス女王の愛され度を感じずにはいられません。英国王室に詳しい人なら、あり得ないと分かっていながらも、「ちょっとありそうかも」なんて想像しながら読むと、楽しさも膨らみます。

『カラス殺人事件』

サラ・ヤーウッド・ラヴェット(著) 法村里絵(訳)
出版社(レーベル):KADOKAWA/角川文庫

ネル・ワード博士の専門は生態学。断じて殺人ではない。しかし英国の田舎町の荘園領主ソフィ・クロウズが殺され、事態は一変。現場で動植物の調査をしていたネルは第一容疑者になる。ジェームズ刑事からの疑いを晴らすために、同僚のアダムとともに生き物の専門知識を駆使して真犯人に迫るが……。

美人生態学者が奇怪な殺人事件に挑む、生き物の魅力が詰まったコージー・ミステリーシリーズ第一弾。著者のサラ・ヤーウッド・ラヴェットは生態学者なので、生態学の描写も丁寧でリアルなのもポイント。タイトルの「カラス」がどこに出てくるのかも本作を読み進める楽しみのひとつかも。曖昧な人間関係も、ゆるーく読めて面白い。

『アガサ・レーズンとカリスマ美容師』

M ・C・ビートン(著) 羽田詩津子(訳)
出版社(レーベル):原書房

白髪染めに大失敗したアガサ。腕が良いと評判のサロンに駆けこむと、イケメン美容師のジョンがすぐに直してくれた。女性客たちはこぞってジョンを指名し、誰もかれもが人には言えない悩みを打ち明けていた。そんな聞き上手な美容師はアガサにも甘い言葉をささやくが、彼女の素人探偵としての直感は警鐘を鳴らす――。

アガサに甘い言葉を囁くイケメン美容師。その正体はただの女たらしなのか、それとも……。英国で大人気のロングセラーシリーズの第8弾です。アガサの周りにはなぜか身勝手な男性しかいない……という運の悪さ?!も本作の見どころのひとつ。今回はご自慢の髪にハプニングありとちょっとかわいそうなアガサですが、華麗な推理で見事に事件を解決してくれます。でも結末はコージーとは言えない?!

最後に

気軽に読み始められるコージー・ミステリー小説。タイトルや書影で「面白そう」「読んでみたい」と感じたら、ぜひ手に取ってみてください。シリーズものも多いので、お気に入りを見つけたら、長く付き合える本になるかもしれません。

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ライター/タナカシノブ
2015年9月よりフリーライターとして活動中。映画、ライブ、歌舞伎、落語、美術館にふらりと行くのが好き。