論理的で几帳面なアストリッドと、直観的でおおらかなラファエルのコンビがパリで起こる難事件の解決に挑む人気シリーズ『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』。2024年11月にフランスで放送されたばかりのシーズン5がいよいよ日本初上陸!ということで今回は、シーズン4のラストをおさらいしながら、シーズン5の見どころをご紹介していきます。同じくフランスの人気ドラマ『法医学者マダム・エール』とのクロスオーバー・エピソードの情報もありますよ!
シーズン4までは皆さん履修済みですよね、という前提で話を進めていきます。新シーズンに関するネタバレはありませんが、シーズン4のラストの内容には触れております。もしも「まだそこまで追いついていないよ!」という方は、この場はそっと右上のバツを押していただき、ぜひまっさらな気持ちでドラマを楽しんでいただいた後にまた戻ってきてもらえればうれしいです。大丈夫という方は、このままどうぞ!
さて、シーズン4の最終話では、ラファエルがかつてない窮地に陥りました。とある夜に事故車の中で意識を取り戻したラファエルは、直近の数日間の記憶を失くしており、隣には男性の死体が。しかもその男性が過去にラファエルと深い因縁のある相手だったために、ラファエルには殺人の容疑がかかります。記憶が混濁するラファエルは自分の無実に確証を持てません。しかし、仲間たちは彼女を見捨てませんでした。アストリッドの懸命な調査と、ニコラ達の協力もあり、見事真犯人を捕まえたラファエル。彼女たちの絆の強さが改めて分かる見事な捜査でした。…というのは謎解きの部分。
© Philippe LE ROUX - FTV - JLA
ファンの皆さんにとってより強烈に気になったのは、アストリッドとラファエルに訪れた変化だったのではないでしょうか?そう、シーズン4のラストでなんと、テツオの大学での奨学金が打ち切られるとの知らせが舞い込みます。ゆっくりとした歩みで距離を縮めていたお似合いのカップルに訪れる危機の予感に、思わず震えた視聴者は多かったと思います。一方、ラファエルは妊娠が発覚!突然の新事実にラファエルとアストリッドはもちろん、視聴者も衝撃を受けましたね…。妊娠をきっかけに、今後の二人の生活や友情に大きな変化が訪れることを不安に思うアストリッド。そしてこの事実をどう受け止めればよいか戸惑うラファエル。
日本に帰らなければならないと悩むテツオはいまだアストリッドに打ち明けることができず、ラファエルもまた妊娠をニコラに知らせる勇気を持てないままシーズン4は幕を閉じました。正直、肝心の事件の内容がほとんど吹き飛んでしまうほどの衝撃的な展開でしたね…。あまりにも新シーズンへの期待を高めるのが上手すぎる制作陣に脱帽のラストでした。
© Patrick FOUQUE - FTV - JLA
(S4の素敵なカットをどうぞ)
そんな衝撃のラストを迎えたシーズン4最終話から、はやくも一年が過ぎました。いよいよ待望のシーズン5が日本に上陸します!第一話&第二話は二部構成となっており、一見なんの変哲もない人物と思われた女性の毒殺をきっかけに、アストリッドとラファエルはフランスとアメリカの諜報機関が絡む巨大な陰謀に巻き込まれて行きます。スパイ映画さながらの急展開と複雑に入り組んだ謎を前に、二人はいつものように互いの欠点を補い合いながら立ち向かっていきます。余談ですが、エピソードの中では、『007』シリーズを意識していると思われるラファエルのセリフがたくさん登場します。同シリーズの作品に触れたことのある方ならちょっと笑えるシーンもありますので、ぜひ注目してみてください。
© Caroline DUBOIS - JLA – FTV
そしてもちろん、シーズン4から続く、個性豊かなキャラクターの人間模様も見どころです。人と人との関係性も、間に生まれる感情も、生きている以上何も変わらないということはありえないのが人生ですが、その変化を何よりも苦手とするのがアストリッドです。しかし、川の流れがいかに速くともしっかりとした橋が架かっていれば安全でいられるように、変化の中でもよりどころとできるものは必ず存在します。
シーズンを経るごとに強固になるアストリッドとラファエルの絆はシリーズの大きな見どころであり、そんな愛すべき主人公たちにはぜひとも幸せになってほしいと願うばかりですが、果たして彼女たちの恋はどうなるのでしょうか…?クライムサスペンスでもここまでハラハラしない(筆者の体感)と思うほど気がかりな恋模様もぜひお楽しみに。
© Patrick FOUQUE - FTV – JLA
2024年には、同じくフランスの人気ドラマ『法医学者マダム・エール』とのクロスオーバー・エピソードも制作されました!まだ観ていないという方のために少しこちらの作品の見どころも併せて紹介します。
© Carma Films – France Télévisions. ©France Télévisions - Carma Films - Nexus Production - JLA Productions - Be-Film RTBF (Télévision belge) - 2018-2024
『法医学者マダム・エール』は2018年からフランスで制作され、『マルロー警部のフランスさすらい事件簿』や『アーバス教授の殺人事件講座』を手掛けた脚本家エリザ・マルポーが脚本を担当しています。ボルドー法医学研究所で働く法医学者のアレクサンドラ・エールが、遺体に残された手がかりから事件の糸口を掴んでいく本格法医学ミステリーです。
たぐいまれな医学の知識と真実を追求するためなら手段をいとわない行動力で、時に規則を無視し、時に手順をすっ飛ばし、研究所を飛び出して独自の捜査を進めるアレクサンドラ。彼女の行動に頭を悩ませるボルドー国家警察のアントワーヌ・ドアノー警視とは犬猿の仲…かと思いきや、なんと二人は実の兄妹。「規則違反もいい加減にしろ!」「規則が何よ!」と喧嘩しても、日曜日にはちゃんと一緒にランチを食べる仲良し兄妹なのです。そんなアレクサンドラは、虫をこよなく愛する法医昆虫学者のリュディヴィーヌ、法歯学者でチーフのディアーヌ、そして死体に慣れていない心理学出身の新任助手テオという個性豊かな研究所のメンバーとともに、ボルドーで起こる様々な事件に立ち向かっていきます。
遺体がどんな状態であっても必ず手がかりを見つけ出し、遺族が最後の別れを交わすことができるよう遺体を丁寧に修復することを信条に掲げるアレクサンドラの風変りで時に非常識、でも一本筋の通った正義感のある姿に心打たれること間違いなしのドラマです。法医学者が主人公でありながら、難しくなりすぎず、コミカルなシーンも多いので、カジュアルに楽しめる作品でもあると思います。
© Carma Films – France Télévisions. ©France Télévisions - Carma Films - Nexus Production - JLA Productions - Be-Film RTBF (Télévision belge) - 2018-2024
さて、そんな『法医学者マダム・エール』と『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』のクロスオーバー・エピソードは、特別エピソードとして2024年に制作されました。パリの一般家庭で、タマネギの瓶詰から人間の眼球(!)が見つかるという事件が発生。時を同じくして、ボルドーのごみ集積所で眼球のない男性の遺体が見つかったことから、パリとボルドーの国家警察による合同捜査が始まることに。アストリッドとラファエル、そしてアレクサンドラとアントワーヌという、似ているようで全く異なる4人が顔を合わせることで生まれる化学反応が最高でした。一話しか作られなかったのがもったいない…。
本作でもアストリッドとラファエルの良さは十分に発揮されていますが、100%楽しむためにも、『法医学者マダム・エール』の履修も強くオススメしたいです。二作品の脚本家が参加しているだけあって、登場人物それぞれの良さが非常にうまく描かれています。個性的なキャラクターが4人も登場していながら、互いをかき消すことなくスポットライトが当たるというかなり秀逸な脚本ですので、一つのエピソードとしても楽しめると思います。アストリッドとアレクサンドラの才能が十二分に発揮される、非常に入り組んだ謎解きも必見です。
© Carma Films – France Télévisions. ©France Télévisions - Carma Films - Nexus Production - JLA Productions - Be-Film RTBF (Télévision belge) - 2018-2024
今回は、『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』シーズン5の放送に向けて、シーズン4のおさらいと、新シーズンの見どころをご紹介しました。正反対の二人が互いの違いを知りながら支え合い、困難に立ち向かっていくことの難しさ、大切さを丁寧に描いてきた本作。ついにシーズン5を迎え、二人を取り巻く環境にも変化が訪れようとしています。きっと二人なら大丈夫だろうと希望を抱きつつ、彼女たちの恋の行方に戦々恐々としている筆者です。テツオは本当に日本に帰ってしまうのか?ニコラは父親になることを受け止めることができるのか?あまりにも何もわからないので、シーズン5を一緒に震えて待ちましょう、皆さん…!
ちなみに『法医学者マダム・エール』とのクロスオーバー・エピソードは、あくまでも『法医学者マダム・エール』の特別エピソードとなっている関係か、今つらつらと書いていたような事情は一切登場しません。いっそ爽やかさすら感じるほどにいつものアストリッドとラファエルが舞台をボルドーに変えて活躍する回となっています。それゆえに、それぞれのキャラクターのシンプルな良さが強調され、新鮮な気持ちで楽しむことができると思います。どちらのシリーズのファンも大満足のエピソードとなっていますので、ぜひこちらも併せてチェックしてみてください!
(文:うりまる)
【ファンミーティング開催決定!イベントご招待】
フランス発、大ヒットミステリーシリーズ「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」の最新シーズン5の独占日本初放送を記念して、豪華キャスト陣をお迎えして日本初となるファンミーティングを開催! この貴重なイベントに、スカパー!加入者190名様をご招待します!
詳細はこちら
【放送情報】
●アストリッドとラファエル 文書係の事件録(シーズン5)(全8話)
字幕版:1/26(日)夕方4:00 一挙放
見逃し配信:1/28~2/8
「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」番組公式サイト
●法医学者マダム・エール(第14話 特別編「目には目を」)
字幕版:1/19(日)夜9:15
見逃し配信:1/21~2/1
「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」と「法医学者マダム・エール」のクロスオーバー・エピソード!
「法医学者マダム・エール」番組公式サイト
© Patrick FOUQUE - FTV – JLA
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