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繊細で論理的なアストリッドと大胆で直観的なラファエルという正反対の二人が協力して難事件解決に挑むフランスのミステリードラマ『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』。最新エピソードであるシーズン4の日本上陸を記念して、キャスト情報をまとめてみました!※シーズン3までのストーリーのネタバレを含みますのでご注意ください。
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犯罪資料局で文書係として働くアストリッド。幼いころに自閉症と診断された彼女は、人との関わりを避けながら静かに生活していましたが、とある事件をきっかけにその卓越した犯罪学者としての素質を見抜いたラファエルと共に事件の捜査に深く関わっていくことに。繊細で、複雑で、しかし誠実で心優しい主人公として描かれています。
そんなアストリッドを演じるのは、サラ・モーテンセン。2007年ごろからフランスのテレビで活躍しており、これまではドラマのゲスト出演が多かったようです。フランスの国民的長寿番組である『美しい人生を!(原題:Plus belle la vie)』に2012年から2019年まで出演。『アート・オブ・クライム 美術犯罪捜査』(2017-)のシーズン4第2話にもゲスト出演しています!
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猪突猛進でちょっとおおざっぱな性格のラファエルはパリ警視庁の警視。考えるよりも先に行動するタイプなので、はじめのうちはアストリッドの個性に戸惑うことも多かったラファエルですが、長く時間を共に過ごすうちに、次第にお互いにとって心地の良い距離感を見つけていきます。考え方も感じ方も違ったままで一緒にいる方法を模索することの大切さを教えてくれるもう一人の主人公です。
さて、そんなラファエルを演じるのは、ローラ・ドヴェール。2009年ごろから俳優としての活動をスタートさせた彼女ですが、映画・テレビともに積極的な活躍が見られるものの残念ながら出演作の多くは日本未上陸……(泣)。
しかし、ミステリーチャンネルでも放送中の『フランス絶景ミステリー コレクション』には、彼女が警部役として出演しているエピソードも収録されております(第67話「ラマチュエル/ Ramatuelle」)!フランス本国ではテレビ映画として放送されているこのシリーズ、どうやら彼女が同じ役で出演しているエピソードはほかにもあるようです。もしかしたら今後さらに日本に上陸するかもしれませんので、これからも要チェックですね。
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ラファエルの同僚であり、彼女に淡い恋心を抱いていることが最初からずっとほのめかされ続けているニコラはパリ警視庁の警部。並外れた集中力と分析力を持つアストリッド、熟達した法医学者であるフルニエ、警察学校を優秀な成績で卒業したアルチュール……と職場の同僚が優秀過ぎるがゆえに「普通の男」感がありますが、彼もまた非常にデキる男です。芸術や文学に精通する知的な人物であり、流行りには疎いところもまた魅力ですね。彼の恋心が報われるのはいつになるのでしょうか……!
さて、そんなニコラ・ペラン警部を演じるのは、ブノワ・ミシェル。2011年公開のロマンス映画『Nino (Une adolescence imaginaire de Nino Ferrer)』でスクリーンデビューを飾りました。ビーチで夏休みを過ごす若者たちの恋模様を描いたドラマシリーズ『Coeur océan』のシーズン5にレギュラー出演したのち、2013年からは映画『ポルト』(2016)のルシー・ルーカスが主演を務めるドラマ『Clem』(2010-)のシーズン3からシーズン7にかけて出演。ちなみに『フランス絶景ミステリー コレクション』第66話「モン・サン・ミッシェル/ Mont-Saint-Michel」にも出演していますよ!残念ながら出演作の多くが日本未上陸ですが、『アストリッドとラファエル』の人気をきっかけに日本でも彼の活躍を目にする機会が増えるかもしれませんね。
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パリ警視庁の法医学者。見落とした手がかりをアストリッドに指摘されることが多く、はじめのうちはそれをかなり煩わしく思っていた様子でしたが、回を重ねるごとに次第に慣れてきましたね。シーズン3でアストリッドがいよいよ警察学校の最終試験に挑むという時には、彼女に先に遺体について分析させてみるなど、彼女の実力を認め、背中を押してあげるよき応援者となりました。
そんなフルニエを演じているのは、ウスキ・キアル。90年代後半からテレビや映画で活躍しているベテラン俳優です。リュック・ベッソン製作・脚本の大人気アクションシリーズの第4作である『TAXi④』(2007)や、連続殺人鬼に狙われる妻子を守るために脱獄した銀行強盗犯の男の逃亡・追走劇を描いたフレンチ・スリラー『プレイ-獲物-』(2011)に出演。日本でも大ヒットした映画『最強のふたり』を手掛けたエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督・脚本による2019年公開の映画『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』にも出演していますよ。
Natacha Lamblin
アストリッド行きつけの日本食料品店の店主アピュ・タナカの甥。数学を勉強するためにフランスへとやってきた彼は、次第にアストリッドの世界にとって大きな存在となっていきました。シーズンを重ねるごとに少しずつ距離を縮めてきた二人ですが、シーズン3ではついに恋仲と呼んでも差し支えない関係に!大切なものを取りこぼさないようスローペースで進んでいく二人の恋模様に、心が癒される方も多いのではないでしょうか。
さて、そんなテツオ・タナカを演じるのは日本出身の齊藤研吾さん。『D.I.』や『時の彼方へ』などで知られるエリア・スレイマン監督が自ら主演・脚本も手掛けた映画『天国にちがいない』(2019)や、2023年にスタートしたばかりのHuluオリジナルドラマ『神の雫/Drop of God』にも出演しています。本作『アストリッドとラファエル』への出演もあり、俳優としての活動が注目を集める齊藤さんですが、ミュージシャンとして世界を股にかけて活躍されています!インドのシタールやアフガニスタンのルバーブといった民族楽器による楽曲を制作されていますので興味のある方はぜひこちらもチェックしてみてください。
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アストリッドが通う「社会力向上クラブ」の主催者。鉄道とコンピューターに関する知識が豊富で、アストリッドのよき友人兼理解者でもあります。ラファエルとの出会いをきっかけに警察の捜査に参加するようになったアストリッドを心配しつつも応援しており、彼女が困難な場面に直面した時には会のメンバーと共に支える心強い味方でもあります。
ウィリアムを演じるのは、ジャン・ブノワ・スイル。2005年公開の短編映画『Esprit, es-tu là?』でスクリーンデビューをしており、その後『異邦人』『ペスト』などで知られるノーベル文学賞作家アルベール・カミュの遺作を映画化した『最初の人間』(2011)にも出演しています。ドラマシリーズへのレギュラー出演は本作がはじめてのようです。
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パリ警視庁の警部補。ラファエルとニコラの部下としてさまざまな雑務を一手に引き受ける働き者であり、先輩ニコラの恋バナに興味津々というお茶目な一面も。面倒な仕事を任されがちな苦労人ですが、個性派揃いの警察署にあって、安定感のあるキャラクターですね。
アルチュールを演じるのは、メレディン・ヤクビ。2019年公開の短編映画『La danse à venir』で映画デビューを果たした新進気鋭の若手俳優です。2023年2月に公開された新作映画『Sugar and Stars』に出演しているほか、2023年9月にフランスで公開されたばかりのリュック・ベッソン監督最新作『ドッグマン』にも出演していますよ!
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ラファエル達の上司であるパリ警視庁のバシェール警視正。捜査手順をすっ飛ばしがちなラファエルに手を焼きつつも彼女の手腕を信頼しています。柔軟な対応が求められる危険な捜査にアストリッドが参加することをはじめのうちは心配しつつも、シーズン3の最後で見事警察学校を最優秀の成績で卒業した彼女を手放しで褒めるなど、実はかなり人情味あふれる人物です。
そんなカール・バシェール警視正を演じるのは、ジャン・ルイ・ギャルソン。フランスの短編映画を中心にジャンルを問わず活躍しています。Netflixで配信中のとんでもコメディ『ファミリー・ビジネス:マリファナ・カフェへようこそ』(2019-2021)や、日本でもリメイクされ話題となった『刑事ファルコ 失われた22年』(2013-2016)シーズン4第一話にゲスト出演しています。『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』(2021-)の最新シーズン3にもゲスト出演しているとのことです!楽しみですね。
ラファエルの息子。普段は離婚した父親と共に暮らしているテオですが、定期的にラファエルの家に泊まりにきて一緒の時間を過ごしています。彼自身も学校では二学年飛び級しているほどの秀才で、アストリッドとの会話に非常に刺激を受けている様子が可愛らしかったですね。登場する度にどんどん成長している気がしますが、シーズン4にもしっかり登場しますよ!
さて、テオを演じているのはティミ・ジョイ・マルボ。2018年公開の映画『今さら言えない小さな秘密』に出演。こちらはフランスの国民的作家ジャン=ジャック・サンペのベストセラー絵本を映画化した作品で、彼は主人公の子供時代を演じています。2019年公開の映画『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』にも出演。こちらはフランスで実際に起きた聖職者による児童への性的虐待事件を基に、『まぼろし』(2001)や『しあわせの雨傘』(2010)で知られるフランソワ・オゾン監督によって映画化されました。
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パリの犯罪資料局局長。友人だったアストリッドの父親に頼まれ、彼女を犯罪資料局の職員として受け入れました。彼女の父親が殉職した後は、後見人として彼女を見守っています。アストリッドにとってはこの世界で頼れる数少ない存在であり、彼が登場するとなんだか見ているこちらにも安心感が漂うようなそんないいキャラクターだと思いますね。
そんなアラン・ガイヤールを演じるのは、ジョフロワ・チボー。2009年からスタートしたフランスの刑事ドラマ『Braquo』にシーズン1からレギュラー出演しています。1989年公開の大作映画『フランス革命』や、1997年公開のミュージカル映画『恋するシャンソン』をはじめ数多くの映画・テレビシリーズに出演。2023年5月にフランスで公開された新作映画『pour l'honneur(英題:A Cance to Win)』にも出演しているようですよ。
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警察学校で犯罪科学の教鞭を執る教官で、シーズン3から登場。司法警察官の資格を取るために入学したアストリッドに厳しい態度で接する女性です。司法警察官ともなれば危険な現場に足を踏み入れることもこれまで以上に増えますし、事件を捜査する権限を正式に手にするわけですから厳しくなるのも当然……ではあるのですが、回を重ねていく毎に厳しいだけではない彼女の一面が垣間見えるようになります。
アンヌ・ラングレを演じるのは、ヴァレリ・カプリスキー。1984年公開の映画『私生活のない女』にて主演を務め、翌年のセザール賞主演女優賞にノミネートされたことも。1960年公開のフランス映画『勝手にしやがれ』をアメリカでリメイクした『ブレスレス』(1983)ではリチャード・ギアの相手役を務めました。2005年公開の映画『アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵』にも出演していますよ!こちらはアガサ・クリスティー原作の『トミーとタペンス』シリーズの舞台をフランスに移して映画化した作品です。日本語版のDVDも入手可能なようですので興味のある方はチェックしてみてください。
長くなりましたがここまでお読みいただきありがとうございます!
フランスの映画やドラマはなかなか見たいと思っても日本では手が届かないものが多く、今回ご紹介した作品の中にも日本未上陸のものもありました。『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』に出演している俳優さんたちが他にもこんな作品に出演しているよ、ということを少しでも知っていただき、さらに皆さんの興味のアンテナを伸ばすお手伝いが出来ていたならとても嬉しいです。今作の人気をきっかけに、さらにフランスの作品が日本に入ってきやすくなるかもしれませんし、ぜひぜひ今後もたくさんの作品で彼らの活躍を追いかけていけたらいいですね。
[文:うりまる]
ミステリーチャンネルにて、シーズン1~4までの全4シーズンを放送!
【放送情報】
「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」(シーズン1~4・全33話)
字幕版:3/10(日)午前11:00スタート
>> 「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」番組公式サイト
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