見どころ

本作に見るフランス18世紀の事情

本作の舞台となっているのは18世紀フランス。
本編の中には、日本では、そして現代では考えられないシーンもいくつか登場する。

そのひとつが「トイレ屋」(?)とも言うのか、常に桶と衝立を持って街中を歩き回り、客に呼ばれると道端で衝立で目隠しをしてその陰で用を足してもらい、使用料をとる、という人物。
本編の中ではニコラが情報屋として数多くの情報を得ていて、事件解決には欠くことのできない重要人物だ。

当時のフランスではトイレとして独立した部屋がなかった、というのは有名な話。
ヴェルサイユ宮殿には、椅子式便器があったと言われているが、宮殿には常時4000人もの人が生活していたと言われる中、あまりに数が少なかった。そこで、廊下や部屋の隅、庭の茂みなどで用を足したと伝えられている。当時の貴婦人が穿いていた傘のように開いたスカートは、このために考案されたと言われている。便器の中身も庭に捨て、中庭や通路、回廊なども糞尿であふれ、宮殿内は、ものすごい悪臭だったそうだ。このような事情からも、体臭など臭いをごまかすため、当時の人は香水を大量にふりかけていたとされており、香水文化も技術も発達していった。

また、白塗りで赤く頬紅をつけた男性が本編に登場する。
その代表的な例が、ニコラの上官であるサルティンヌ総監だ。

16世紀頃からフランスでは、女性ばかりではなく、男性貴族も競って化粧をするようになったと言われている。また、派手なカツラを使った髪型や髭も流行した。化粧はだんだん厚く派手になり、滑稽をこえてクレージー(?)と思うようなものも出てきたらしい。数種類の頬紅を顔に塗りたくり、昼間だけではなく夜寝るための化粧を行う者もいたと言われているが、ニコラが活躍した18世紀頃からその風潮は影をひそめてくる。サルティンヌは男性化粧文化の名残とも呼べる存在なのかもしれない。

こうした時代背景も忠実に描かれた「王立警察 ニコラ・ル・フロック」。
ストーリー展開と共に見どころ満載だ。
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