見どころ

細部にまでこだわった時代設定

本シリーズの見どころのひとつとして、細部にまでこだわった時代背景が挙げられる。

前回までのエピソードでも、製作スタッフは、イギリスの警察やシステム、社会の慣習といったものが人々がついていけないほどのスピードで変化を遂げた60年代を懐かしい思い出としてではなく、リアルに表現する、ことに注力し、セットデザイン、衣装、メイク、ロケ地に至るまで綿密な調査を重ね、ひと気のない海岸や荒涼とした丘といった手付かずの自然が残る場所、学生が集まるジャズクラブなど細部にまでこだわりの姿勢を貫いた。

今回のエピソードでもその姿勢が変わることはない。
舞台装置デザイナーが調達した1960年代独特の行楽地の小道具には眼を見張るものがある。
露店には当時のバケツやシャベル、模型のボートやおもちゃなどが並び、パンチとジュディの人形劇(「Punch and Judy show」イギリスの伝統的な人形劇)や、アイスクリーム売りのバンは伝統的な海辺の街のシーンをリアルに再現した。
また、同性愛者の自由恋愛について、恥と怖れも描かれている。
このテーマは、1960年代に取り上げられるようになり、現在までの約40年間でいかに変化を遂げたかということが表現されている。

衣装についても、カフタン風ドレス、長髪、裾の広いジーパンなど当時“ヒッピー”として流行したスタイルを再現。
バッカスを演じるリー・イングルビーは、「当時の雰囲気により近づけるために、ワイシャツやネクタイではなく、カーディガンにハイネックを着用し、ヘアスタイルもビートルズと同じにした」と語っている。

こだわりぬいた1960年代のイギリスをストーリーの随所に垣間見ることができる。
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